恋鬼

井伊直弼には忘れらえない兄とその想い人がいた。

幼い時、直弼を可愛がってくれた長兄は彦根藩にとっては荷物のようになっていた。
自らも世捨て人であることを自覚していた井伊直清。
しかし、そのすべてを賭ける恋に落ちる。

井伊家の御曹司であったがゆえに迎えなければならなかった悲劇とは…
幼い井伊直弼が見た物語です。

 白い雪が一面を覆っている。
「静かだ」
 深々と降り積り、全ての音を吸収したかのような静寂が身を包んだ。
 駆け足で進む駕籠の中は、決して心地の良い空間ではない。だが、激しい揺れすらも気にならない。
 瞳を閉じ頭の中に闇を描く。均衡の執れた複数の足音や軋む木の響きが、耳から入り身体を通り抜け、また闇が戻った。
「抑、...

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作品更新日 :
2018-08-30
文字数 :
15,641
閲覧数 :
159

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