4ー2

今の衝撃でくくった髪が解けてしまったのをかき上げ、アインは舌打ちをすると向き直る。

「だんだん標的が私になってきたようだ」

思い通りになったのはいいが、ここからが問題だ。

「さて、どうして倒せば…」

風に吹かれ、マントが大きく舞い上がった。
砂煙の向こう側に、領民の不安そうな顔が見えた。戦いから、領主ストラによって守られてきた人々。
領主の平和の意志に添うことこそが、従者としての最大の役目だとアインは魔物を仰いだ。

続く魔物の攻撃。右、右、左……規則性のない攻撃にアインは意地でも食らいつく。息が切れてきたのはわかる。しかし倒す方法は浮かばない。

遠くで声援が聞こえた。この地の一体感。それに混じって聞きなれた声で「あと少しだけ耐えろ!!」と聞こえた気がした。

「やあぁぁぁあ!!!!」

唾を飲んで、剣を握りしめると吠える。
大木の枝の一つがまた切り裂かれる。
風に吹かれて冷える額の汗。
もう一度握る剣。次は横に降ると蔦が裂かれる。

阪マキホ
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阪マキホ

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