4ー3

「思ったよりあいつが戦えるからと言って、難しい呪文を選ぶんじゃなかったな…!!」

枝を地面に押し付けながら、本とにらみ合うストラは一人、そう小声で後悔した。
強力な魔法は術式が難しい上に何と言っても疲れる!地面に無数に引かれた丸がだんだん嫌に憎たらしくなってきた。

ただ一発で仕留めたい。風でめくれそうになるページを押さえて、ストラは懸命に手を動かす。

「よし。後、四分の一だ!」

自分で言っていて気が遠くなりそうな膨大な情報の術式だが、ストラは成功させる自信がある。
そこは魔王の息子であり、本が大好きな秀才ストラの誇るべき点だ。

ストラの周りを円状に文字が囲み、だんだんと淡く発光し始める。
あと三行……二行……一、きた!!

阪マキホ
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阪マキホ

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