3ー5
「町に侵入してきた魔物が、暴れているそうです!!」
「なんだと!?…ここを俺の土地とは知らず生意気な魔物め!」
急いで一冊の本を担ぐと、ストラはまっすぐにアインを指さした。
「命令だ!直ちに魔物の動きを止めろ!!」
「承知しました!」
くるりと背を向けて猛スピードで階段を上がっていくアインを追いかけるように、ストラも走る。
「何だあいつ…足早いな…」
へろへろと昇りながら、ストラは分厚い本のあるページを探る。
「お、あったぞ」
端の焼けたボロボロのページに、ストラの求めた術式があった。にやりとして、外に出たそこには見上げるほどに大きな大木が蠢いていたーー。