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あらすじ
1719年(享保四)第九次の朝鮮通信使が来日し、雨森芳洲(あめのもりほうしゅう)がその護行役として対馬と江戸を往復する、との知らせが長浜の医師橘良房(たちばなよしふさ)のもとに入った。良房は雨森村へそのことを伝え、人々は近江の番場宿(ばんばしゅく)で待つことにした。
芳洲と通信使の申維翰(シンユハン)は、対馬では藩主への儀礼をめぐって対立したが、長い旅中の間に親交を深める。 二人は琵琶湖が一望できる摺針峠(すりはりとうげ)で両国の交わりの要諦について語り合う。芳洲は互いの国の違いを理解し尊重することを基本にした『誠信の交わり』こそ大切だと説く。申維翰は感銘を受け二人は堅い友情を結ぶ。
帰国した申維翰は国王の粛宗(しゅくそう)に「芳洲がいるかぎり、そして日本に彼を生み育てる土壌があるかぎり、両国の交隣と平和は続く」と復命し、それを聞いた粛宗は玉座から日東の方を眺めやるのだった。
- 作品更新日 :
- 2018-11-30
- 文字数 :
- 19,499
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