あらすじ
天正11年。江北の地で賤ヶ岳の合戦が起きようとしていた。余呉湖の北に陣を構えた柴田勝家は羽柴秀吉の軍と向かい合い、睨み合ったまま数ヶ月が過ぎようとしている。
そんな中、柴田軍の陣中に呼び寄せられた地元の民の中に、五助という中年男の姿があった。五助は、長浜城を作る時の人柱に、自分の双子の娘のうち一人を差し出したことを後悔していた。双子のうち、もう一人も間もなく亡くしてしまった五助は、勝家が長浜城を落とした暁には、娘の供養のため、小さな祠を城中に作らせて欲しいと願う。
負け戦になるであろうことを感じ取っている老いた勝家は、お市の方の連れ子である浅井家の三人の娘と、五助の娘を心中で重ね合わせてそれを許す。それは五助も同じであり、身の丈に合わぬ申し出をしてしまうのであった。
- 作品更新日 :
- 2018-11-30
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