哀恋歌〜あいれんか〜
子供たちは明日をつかもうと
夕焼け空に手のひらをかざし
今夜の夢を楽しみに
薄いしとねに身をうずめる
つぎはぎだらけの麻衣(あさごろも)は
最近少し窮屈で
駄々をこねている幼いあの子が
今夜も叱られる
ああ
この世をば
長く渡ってきたけれど
いまだ答えは見つからぬまま
ああ
僕たちは
その瞳濡らす涙さえ
いまだ乾かすすべさえ知らぬ
娘たちは祭りの夜に咲く
恋しい人の背を求めながら
踊りの輪の中舞い乱れ
朝がくるまで蝶になれる
あかぎれだらけの細い指は
最近夜風が傷に染みて
愛しいあの人の黒髪を
今夜も結えない
ああ
この世をば
長く渡ってきたけれど
いまだ答えは見つからぬまま
ああ
僕たちは
その手に滲む血潮さえ
いまだとどめるすべさえ知らぬ
夢追い人の男たちは
最近夜風が冷たくて
愛しい人を抱かずには
今夜も眠れない
ああ
この世をば
長く渡ってきたけれど
いまだ明日は見つからぬまま
ああ
僕たちは
この胸を焦がす怒りさえ
いまだ抑えるすべさえ知らぬ
ああ
僕たちは
いまだ夢見るすべさえ知らぬ