4ー4
「アインーー!!!!」
確かにつかむ感触。ありったけの声を上げた。
目先のアインを見上げると、はっとする。
銀の髪が風に舞うその姿に見覚えがあった。
振り向いたアインも目を丸くした。
「ストラ様…!!そうか、魔法陣を作って…」
タッとアインが射程範囲内から立ち退くと、膨大な魔力を感じたのか、魔物の視線がストラに移った。
周囲の空間を飲み込むように、ストラを中心に風が巻き起こる。渦を巻き、熱風となり、ストラは両手に力を込めて大木を睨んだ。
「燃え散りやがれーーッ!!!!」
腹、胸、肩、腕、掌。
押し出されるのと、後ろへ引っ張られる両感覚がストラを襲った。
それは熱く、赤黒く、重低音と突風をあげて、飛んだ。
最後に自分を呼ぶ声と、綺麗な髪だけがわかって。
「褒められ第一号はお前だったかぁ」
青い空を上に、ストラは静かに目を閉じた。