隠士の闇

主人公は彦根藩の足軽(と思われる)畑権助という人物です。
文久三年(1863)に75歳との記録がありますので、生まれは寛政元年(1789)になります。彦根藩では10代藩主井伊直幸が亡くなった年で世界史的にはフランス革命が起こった年でもありました。

彦根藩足軽として歴史の中に名前を残すこともなかった権助がどういった経緯で僕に書かれることとなったのか?
それは、権助71歳の3月に突然起こったのです。

彦根藩最大の事件現場にいた老人の苦悩の短編です。

 闇である。
 新月は道を示さず、どこまでも墨を零した様な黒を広げていた。
 草木も眠る丑三つ時、齢七十を超えた老武士が息を乱しながら駆けていた。この男に「己の意思か?」と問えば「わからぬ」と答えるであろうか? いやその問いすらも耳に入らぬかもしれない。

 闇は全てを隠す。
 急に曲がった道は老武士を田の中へと叩き込...

続きを読む
作品更新日 :
2018-08-31
文字数 :
8,491
閲覧数 :
100

目次

スゴイ! は、ページ毎に評価できます。(この作品は各1回まで)

みんなの感想

    投稿はありません
点数 (★星) だけでも送れます !
不適切な文言が含れている可能性があるため投稿を中断しました。

不適切なメッセージを投稿する事を禁止します。不適切と判断される範囲やその際の措置につきましては、利用規約「第16条 利用者の禁止事項」に準ずるものとします。利用規約

この作品を報告する

広告