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なぜ今このときがこれほどまでに凝縮されているのか

そうなるべくしてそうなっているのか

偶然の積み重ねによって
そうなっているのか

いずれにせよ過去は現在に様々な要素を提供する

懐かしさという感覚をひも解くとき
それは過去においてというよりもむしろ記憶以前の何かに触れる


懐かしさはいくつもの記憶の点に顔を出し
得体のしれない別の世界を垣間見せる


それは葉脈のようで
それは鉱脈のようで

擦り傷から滲み出る血のようだ



あれもこれもがちゃんと今につながっていることの不思議が
ふと感じられるときがある

生きている意味というものは
なかなかわかりづらいものではあるけれども

果たして感じずにもおれないのだ



すべてが虚構であるだろう
けれどもすべてが胸の内にある限り
それらはあらゆる玉に勝る


こぼれおちるのは感覚の一端にすぎず
表現するところの狂気に至らぬを惜しむ



ああわかるだろうか
満ち満ちてゆく光を

ああみえないだろうか
青青とした根源が

ああきこえないだろうか
あなたのうたが
万物の滞りなくゆく音が聞こえる


それは一瞬であるし
今その時を感じるにすぎないのだから
説明に足りないけれども




観察者としてかろうじて人は生きているにすぎない
主体となってはじめて死が訪れるのだろう

社会的な死
肉体的な死
精神的な死

どれもが夢のさきのことだ





滲み出る擦り傷の血はそうしていて

夢のありかを指しているに違いないのだから

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