実家の仏間にはいつからそこにあるのか忘れられている日本人形が一体ありました。
高さが30㎝に満たないおかっぱ頭で赤い着物をきた普通の人形です。
ある日、連休を利用して兄夫婦が幼稚園生になった姪のカナを連れて実家に遊びに来ました。
仏間に入るなりカナが大声で泣きながら「あの人形が…」と母親に泣きつきました。
鳴き声を聞いた兄も仏間に入りましたが、入ったとたんに兄は頭痛と吐き気に襲われその場にうずくまり動けなくなりました。
義姉は気分こそ悪くなる事はありませんでしたが人形の回りに黒い霧のような物が見えると訴えます。
驚いた私の両親が仏間に入ると、いつもとはまったく違う空気感がそこには充満していたそうです。
暗くて冷たい重苦しい空気だったようです。
父母は兄同様、頭痛や吐き気に襲われそこから動けない状態になってしまいました。
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