土曜日(午後)bad or happy?
昨日、男性に成仏する事を告げ、不可視になった後私は涙を流した。
「う……うぁ」
そして私はその場から逃げ去るように走っていった。
そして今日、別れの日、私の頭は働かなかった、ただ思うのはあの男性の事ばかり、数日前に出会って私に大切な事を教えてくれた人の事ばかりだった。
「……よしっ」
男性の部屋の前、私は決意した。
「最後は、笑って別れよう」
こういう時のベタな決意なのだがそれが私にとってこの世界での最後の決意、大切な事だった
可視状態にして私は扉をくぐる。
「……お別れに来ました」
できるだけ明るい声でそう言って部屋の中に入る。
「えっ……」
部屋に入った私が見たのは部屋の真ん中で倒れている男性だった。
「まさか……」
男性に近づいた、男性は息をしていない。
予想していた最悪の事が起きてしまった。
私は急いで男性の体を調べた、男性の体の中には魂はもう無く、成仏していったようだ。
「そんな……!!」
私は外に出て空を見て言った。
「ごめんなさい、そして待っててください、必ず会いに行きます!」
そう言った私の身体を光が包んだ、成仏をする前触れだろう。
成仏する直前、私は呟いた。
「あの人……あの幽霊は……今何処に……」