僕のとなりの家にすむ、近所でも有名な3姉妹。
小さい頃からよく遊んでおり、高校生になってからもよく遊んでいる彼女達はとても有名だ。
なにせ、年が一つしか違わない長女ミホさんは僕より背がかなり高い。
僕が高校生2年にして若干の小柄とはいえ、彼女と並ぶと大人と小学生ぐらいに見えるのだからその背の高さは侮れないし、その体の大きさと比例して力もかなりある。
同じ年の次女カホは、僕と同じぐらいであるのだから、同じ家庭環境でこうも違うのかと、常々思うぐらいだ。
そして、家族の不思議といえば、3姉妹のなかの3女のシホちゃんは3女で小さいく、栄養分がミホさんに取られてしまっているのではないかとおもう位に小さい。
その小ささは僕と比べて幼稚園児並に小さい、本人曰く小学生並といってほしいというが、それはどう頑張っても無理である。
この背の大きさのアンバランス差で有名な3姉妹だが、もちろんそれだけで有名なわけではない。
彼女達こそが、かの有名なガラガラドンの血をひいた怪物のハーフということで有名だ。
そんな彼女達も年頃の女の子であり、最近の流行というのにひとかけらの好奇心というのがある。
「壁ドンですか」
壁に手をつき、相手に告白するという少女マンガでは結構見られる、気恥ずかしいシーンの一つである。
その壁ドンを体験してみたいと相談を受けた。
「そう、壁ドンというのがどういうものか試してみたいんですよお兄さん」
「シホにはまだ早い、まずはアタシで試してみよう」
「いや、シホこれでも高校生だからね、そういうミホお姉ちゃんだって無理だからね」
「壁ドン、私以外無理じゃない?」
確かに身長差を考えると、壁ドンができるのはカホぐらいになってくる。
「一人だけ壁ドン体験する気なのはずるいです!」
「私達3姉妹、身長は違えど仲良くやってきたのにそういうのはよくない」
「ミホお姉ちゃん、シホを仲間はずれにしようとしたのに」
ただやはりというか乗り気の二人は即座にブーイングしてきて、カホはつぶやく事でせめてもの抵抗しますが、やっぱり2対1での口喧嘩は分がわるいようで、小声でつぶやくぐらいだった。
とりえあえず壁ドンを体験したいができない人がいるのは不公平であるという点を考えるとやっぱり無理な気がしてくる。
「カホお姉ちゃん、シホ壁ドンを諦めることにします」
「シホ、どうしたの急に」
「シホは床ドンを体験します、床なら寝そべるだけで身長差をとりけせますし、私の小柄な体型だと壁ドンに近いです」
確かに小柄なシホちゃんなら、床ドンで見ようによっては壁ドンを体験しているような感覚を体験できる気がする。
「ちょっと待てアタシはどうなる!」
ミホさんが、涙目になりながらも抗議してくる、確かにミホさんの場合は体格さもあいまって床ドンも少しばかり厳しい。
「ミホお姉ちゃん、世の中我慢も必要です」
「ずるい、二人だけずるい」
涙目になるミホさんを尻目に、二人は床ドンと壁ドンをすることで合意したようだ。
「ミホさん、何か方法考えますから」
「もういい」
急にゆっくりと近付き僕を持ち上げる、目が血走っていてとても怖い。
「ならアタシは天ドンだぁ」
その言葉とともに、ちょうど小さい子がタカイタカイされるように、そして勢いよく加速し持ち上げられて僕は頭を天井にぶつけてしまう。
「タカシ、好きだアタシのものになれ」
ただ、その衝撃な告白も、薄れいく意識には獣の咆哮のようにしか聞こえなかった。
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