プロローグ
世界のすべてを支える大樹 ユグドラシル
幹に支えられる世界 ミッドガルド
根に抱かれる世界 ニヴルヘル
本来決して交わることのない二つの世界
だが一つの邪な影が生じたとき
二つの世界の均衡は崩れ
双方の世界に甚大な被害がもたらされた
すでに神話として語るものも少なくなった
果てしなき伝承の一説
しかし伝承の風化は新たな伝承の始まりをももたらす
リング歴1024年
ニヴルヘル王リュングヴィは突如として
人間界ミッドガルドへの侵攻を発表
それは長き平和に慣れすぎたニヴルヘルの住民をして
失われかけた伝承を思い起こすには十分なものであり
しかし怒りは手の届かぬ王ではなくその息子へ
幼き日に王自身による追放を受け
身を隠すように暮らしていた王子へと向けられていく
そして王子の傍らによりそう銀髪の騎士
彼もまた新たな伝承の中へと
その存在を記すことになるのである