裏切りボタン
ここは地獄、そこには三人の地獄の住人と一人の地獄の住人、そして地獄の支配者がいた。
その一人の地獄の住人には二つの選択肢があった。
友情を取るか...裏切りを取るか...
「さあ、選べ!赤のボタンを押せばお前だけは助けてやる
青のボタンを押せば四人ともこのまま地獄で暮す事になる。」
支配者が一人の地獄の住人に問う
一人の地獄の住人はボタンの前に、三人の住人はその姿を見ていた。
「大丈夫だよな?」
「お…おい」
「早く青のボタンを……な?」
三人の声が耳に届く。
「三人とも、落ち着いて!僕が君たちを裏切ると思うのかい?」
三人に向けて満面の笑みで言う。
「だ…だよな、俺達の友情がそんなボタン一つで崩れる訳ないよな…」
不穏な空気が漂う中、地獄の支配者が問う。
「5秒で決めろ」
ポチッ
その言葉が飛んだと同時にボタンが押された。
「お…おい…嘘…だろ」
押されたボタンは赤だった…三人の住人は呆然と立っている
「俺達の友情は…俺達の友情を壊してまでお前は助かりたかったのかよ!」
「何が友情だ、いいかい?君達は地獄の住人…今までさんざん酷い事をやってきた
くせによく言うよ、支配者さんさっさとこいつらを消しちゃってよ」
その言葉と同時に三人の住人は地獄から姿を消した
「さてさて、あの三人はどこに行ったんだい?」
「ああ、あの三人は天国に行ったぞ」
「!?…どういう事だい?あの三人は…」
「どういう事だと?天国に行くのは嫌なんだろ?」