#1 目覚めた青年
(ここは何処だ?)
(なんか同んなじ様なことがあったな)
そんなことを考えて気が付いた。
『そうだミラはっ!?』
『大丈夫よ隣に寝てる女の子でしょう?』
隣に背の高い女の人が立っていた、いかにも看護師ですみたいな服装の。
『あなたが助けてくれたんですか?』
『いいえあなた達を助けたのはミサトよ明日にでもお礼を言って置きなさい』
『紹介が遅れたわね、私の名前はマリアよ、宜しくね』
『あなたは?』
『俺は神凪 アキトです』
『アキト君ね』
『あなたが起きたら支部長の所に案内する様に言われてるの』
『あの、ミラは?』
『この子なら大丈夫ショックで気を失ってるだけだから』
『長い付き合いなの?』
『いえ、3時間位です。でも、命を助けられたので』
『そっか、優しいのね』
それから俺はマリアさんの案内で支部長室へと呼ばれた。
『やあ、目覚めてくれて何よりだよ私の名前はリックス・デア=コンボルトだここの支部長をつとめている』
『俺は神凪 アキトです』
『突然だがアキト君、君があれをやったのかね?』
『魔獣のことですか?』
『ああ、そうだよ』
『多分、そうだと思います。』
『多分?』
『はい途中で気を失ってしまったので、ですが最初の方は意識を保って戦っていました』
『どこらへんまでかな?』
(なんだか尋問みたいだ…)
『最初の魔獣が現れて俺が手に炎を纏うまでです』
『君は魔法を使ったんだね?』
『いえ、自分の意志ではなく体がかってに動いた感じです』
『君は前に何処かの支部にいたのかね?』
『すいません、俺はミラに助けられるまでの記憶が無いんです。』
『記憶が無い?ではやはり君は前に何処かの支部にいたかもしれないんだね?』
『そうかもしれません』
それからミラに拾われてから気を失うまでのことをきかれたけど、俺に答えられることはほとんど無かった。
『ではこれで最後だ、君のいた町はおそらく君の魔法でもう残っていないだから、アキト君、シリウスの隊員にならないか?』
『は?』
『君がもし魔獣を全て退けたのならばその戦闘能力はとても高い。だからうちにその力を貸して欲しい』
『もし俺がYESと答えればミラも一緒に置かせてくれますか?』
『ああ、いいだろう。もとよりそのつもりだったしね』『ありがとうございます』
『いやいやいいんだよ人々を助けるのがシリウスの仕事だしね』
『それとメディカルチェックを受けておくように何かあるかもしれないからね』
『はい分かりました』
俺は最後にもう一度お礼を言って支部長室を出た。
それから2時間後俺がメディカルチェックが終わったころにミラが目覚めた。
『良かった、目が覚めた』
『アキト?ここは?』
『シリウスの中だよ』
『そっか私達助かったのね、他の人たちは?』
何も答えなかったのが答えだった
『くよくよしててもだめだよね!私達は死んでいった人たちのためにも笑って生きなきゃね!』
そう言って笑うミラの顔には涙の線が2本ついていた。
それからしばらくしてようやく泣き止んだミラが
『これからどうしようか?』
当然の疑問を口にした。
『それなら大丈夫シリウスが雇ってくれるって』
『シリウスが?』
『うん、多分俺は戦闘員として、憶えてないけど俺が魔獣を追い払ったらしいから』
『えっ⁉︎そうなの?』
『うん、そうらしいんだ』
『でも、危なくない?』
『大丈夫訓練とか頑張るから』
『そっか、ありがと。頑張ってねでも私はどうしたらいいのかな?』
『そうね、あなたにはオペレーターをして貰おうかしら?』
『あなたは?』
『私はマリアよ、ここでの医療を担当しているわ』
『オペレーターですか。』
『ええ、ちょうど人が少なかったのよ』
『分かりましたやらせていただきます。』
『ありがとうでも二人とも今日はしっかり休みなさいアキト君の訓練もあなたの訓練も明日して貰うから身が持たないわよ〜』
あながち冗談ではない声でそう言った。
『じゃあおやすみなさい、何かあったら呼んでちょうだい』
そう言って俺らに恐怖を植え付けて出ていってしまった
『……………………』
残された俺らはしばらく言葉が出なかった。
(いきなり訓練とかマジっすか)
『だけど助けてくれてありがとうねアキト君』
『いえいえ俺も助けて貰ったんでおあいこです』
そう言って二人で笑い合ったそれからたわいない話しをして疲れて居たのか二人とも直ぐに寝てしまった。
その日の地獄を忘れるように、忘れないように。