Ⅳ―ⅳ 変化を齎(もたら)す者
来た道を戻り、今度は脇目も振らず中庭をすすむ。
(幼子への食事はあまり間を空けなかったのではなかったかな…)
本格的な子供の世話をしたことがないキュリオだが、この敷地内に孤児院があるため基礎知識くらいは身につけている。しかし、そう思ったとたんに不安がつのり…彼は厨房のミルクがしまってある保管庫へと向かったのだった――――
カタンと鍋の金属音が鳴り、
バタンと保管庫の扉を閉める音が響く。
さらにチャポチャポとミルクを注ぐ音が続くと…鍋底を熱する火のあかりで部屋がほのかに明るくなる。