Ⅰ―ⅷ 小さな体を抱きしめて…Ⅱ


湯殿からあがると部屋の中にはキュリオの身の回りの世話を担当している女官たちが待機していた。バスローブに身を包んだキュリオの腕の中で丸くなる少女の肌は蒸気し、淡いピンク色に染まっている。


その様子をみた女官のひとりが安心したように言葉を発した。


「とても小さくていらしたので心配しましたが…お体に大事はないようですね」


「あぁ、置き去りにされて間もないのかもしれない。珍しい髪と瞳の色をしているから親もすぐ見つかるだろう」


女官たちはキュリオの言葉に頷きながら、赤ん坊に上質な生地の肌着を着せてやる。
女の子らしくピンクの可愛らしいリボンがあしらわれており、白く透き通った肌によく似合っていた。


「んまぁ!本当に珠のように可愛らしい子っ!!」


うっとりしたように頬を染める彼女たちは次々に赤ん坊を抱きかかえる。
赤ん坊はというと、ぐずりもせず、ただ驚いたように彼女らの顔をじっと見つめていた。

逢生ありす
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逢生ありす

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