サメ柄
親衛隊付小隊長のひとり、マール卿は服装のセンスがよろしくない事で知られている。たとえば彼のお気に入りは、明るいオレンジの騎士平服にサメ柄が踊っている……というようなものだ。
勿論、サメがお友達の小ザメにとってはとっても素敵な騎士平服だが、一般敵には大きく×がつけられる服装だろう。
そんなある日、マール卿は小ザメに「サメ頭の帽子」をおみやげに買ってきた。かぶればすっぽり小ザメの頭がサメの頭におさまってしまい、まるで小ザメの頭がサメに食べられているように見える帽子だ。
「わーいわーい!」
当然、小ザメは大喜び。
アレイサン小隊長「おお、小ザメ、可愛いぞ」
ガネル小隊長「小ザメには良く似合っている。良かったね」
マール小隊長「待てよ!小ザメはよくてなんで俺は趣味が悪いって言われるんだよ!」
アレイサン「大人になってまでそんな柄を着ているからだ」
ガネル(溜息)「マール。少し、大人になれ」
マール「俺は充分大人だっての!」
(ち・ん・も・く)
アデル「小ザメはいつも可愛い。マール、貴様はとっとと着替えて来い」
マール「アデル兄までなんだよっ」
小ザメ「マールをいじめちゃだめー」
アデル(仕方がない。マールにだけ制服を考えよう)