柔軟体操
西中島梓はバレリーナでありジャズダンスも特技にしている。その為身体は非常に柔らかい。
前屈するとだ、普通に両手の平が全て地面に着くので皆驚いて言う。
「梓ちゃん本当に身体柔らかいわね」
「もう蛸みたいじゃない」
「どうしたらそんなに身体柔らかくなるの?」
「やっぱりバレエのせい?」
「そうなの、毎日柔軟体操するから」
バレエをしているとだ、梓も話す。
「自然とね」
「身体が柔らかくなるの」
「そうなるの」
「そうなの」
梓はこう友人達に答えた。
「そうしたらバレエの動きもね」
「出来るのね」
「そういうことね」
「というか柔軟をしっかりしていないと」
それこそというのだ。
「バレエは出来ないから」
「身体が柔らかくないと」
「とてもなのね」
「そもそもバレエは出来ない」
「そういうものなの」
「そういえば」
ここで友人達はあることに気付いた、その気付いたことはというと。
「バレエってもう練習の殆どが柔軟っていうし」
「そうらしいわね」
「白鳥が水の中でっていうけれど」
「実際にそうらしいし」
「そうなの、本当に柔軟ばかりでね」
レッスンはというのだ。
「身体が柔らかくなるの」
「梓ちゃんみたいに」
「そうなっていくのね」
「そうなの。私も最初は固かったから」
その身体がというのだ。
「それがね」
「柔らかくなった」
「そうなのね」
「今みたいになったの」
「そうよ、最初は私もよ」
身体が固かったというのだ、梓はこう言い友人達も頷く。とかく梓は身体が柔らかかった。
だがその梓にだ、彼女が日課であり趣味でもある愛犬の散歩に行く時に彼女の母がこんなことを言った。
「またはじめはそれ?」
「うん、最初はね」
梓はいささか呆れた感じになっている母に答えた。
「これからはじめてるの」
「柔軟から」
「ストレッチをして」
実際にストレッチをして身体をほぐし伸ばしている。
「そうしてね」
「それから行くわね、絶対に」
「お散歩だけれどね」
それでもというのだ。
「やっぱり身体を動かすでしょ」
「だからなのね」
「まずはね」
今の様にしてというのだ。
「身体をほぐして温めて」
「それからなのね」
「行く様にしてるの」
散歩にもというのだ。
「そうしてるの」
「あんた朝起きても夜寝る前もよね」
母は娘にこのことも言った。
「あんた柔軟するわね」
「朝はそれで身体も頭も起こしてね」
そしてというのだ。
「寝る前は身体を温めて」
「そうして寝てるのね」
「そうなの」
実際にというのだ。
「いつもね」
「そんなに柔軟が大事なのね」
「私にとってね、ちゃんと柔軟してたら」
「怪我もしないし」
「そうなの、そのこともあるし」
「柔軟しるのね」
「今もね」
散歩の前もというのだ。
「そうして身体をちゃんとさせて」
「怪我をしない様にして」
「行ってくるわね」
散歩にというのだ、もう最後のストレッチのメニューにファ言っている。
「今から」
「そうしてね」
こう話してだ、そのうえでだった。
梓は散歩に出た、とかく梓は何かをするにあたって柔軟体操は欠かしていなかった。修学旅行の時もだった。
起きた時も寝る時もだ、柔軟をするが。
その彼女にだ、友人達は驚いて言った。
「えっ、今もなの?」
「柔軟するの?」
「夜寝る前もしてたけれど」
「朝起きてもなの」
「うん、ラジオ体操みたいなもので」
身体をほぐして目を覚ましつつだ、梓は同室のクラスメイト達に話した。
「こうしたら目が覚めるから。後ね」
「後?」
「後っていうと?」
「こうして身体をほぐしたらやっぱりね」
何といってもというのだ。
「怪我をしないから」
「それでなのね」
「毎朝柔軟もしてるの」
「そっちもなの」
「そうなの、本当に怪我が怖いから」
それ故にというのだ。
「こうもしてるの」
「何ていうかね」
「梓ちゃんが無茶苦茶身体が柔らかい理由がわかったわ」
「軟体動物みたいなね」
「そんな風になってるのがわかったわ」
それが何故かもだ、友人達は梓を見つつ話した。
「朝も夜もやって」
「それでバレエの時もやって」
「お散歩の時もしてるとね」
「そりゃ身体も柔らかくなるわ」
「そうよね」
「ううん、やっぱり怪我したくないし習慣にもなってて」
梓は柔軟を終えて目覚めた顔で話した。
「毎日してるから」
「それでなのね」
「身体も柔らかくなってて」
「そのまま維持している」
「そうなのね」
友人達も納得した、そしてだった。
梓は朝に好物の卵かけ御飯を食べてそれから修学旅行を楽しんだ、梓はこうした時もまずは柔軟体操からだった。
柔軟体操 完
2017・6・27
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