コスプレ衣装
千林佳奈はこの時自宅で友人達と共に衣装を選んでいた、ネットに出ているアニメのキャラの衣装をだ。
パソコンの画面を見てだ、佳奈は友人達に言った。
「今回色々迷うわ」
「どんな服を着るか」
「それでよね」
「この前のコミケの時はあっさり決まったけれどね」
「あのキャラでね」
「あの時はあのキャラにはまってたから」
それでと答える佳奈だった、一緒にパソコンの画面を観ている友人達にこう話した。
「けれどね」
「今はなのね」
「はまってるキャラがないの」
「そうなの」
「ないというか多いのよ」
今の佳奈はというのだ。
「はまってるアニメが幾つもあって」
「その中の誰にするか」
「どのキャラの服を着るか」
「それで困ってるのね」
「どうしても」
「オーソドックスにあの魔法少女のキャラとかね」
何年か前に流行して今も人気のある作品だ。
「特に黄色の人」
「あのキャラの服佳奈ちゃんだったら似合いそうね」
「佳奈ちゃんスタイルいいから」
「金髪のカールのウィッグ被ったらね」
「もう充分なんじゃ」
「ううん、あのキャラみたいなスタイルかっていうと」
自分ではどう思っているかと言う佳奈だった、少し苦笑いになって。
「自信ないけれど」
「あのキャラは定番よね」
「今もコスプレで出るわよね」
「だからなのね」
「佳奈ちゃんも今言ったのね」
「そうなの、ただ今回は本当にね」
あらためて言う佳奈だった。
「どのキャラにするか」
「迷ってるのね」
「そうなのね」
「ええ、どうしようかしらね」
色々と服を観つつ言う。
「この前のコミケで同人誌売れたからお金あるし」
「今回は買ってもいいしね」
「そうしてもね」
「それでもいいけれどね」
「それでもね」
「何を買うか」
その問題になるとだった。
「迷うわよね」
「今回は特に」
「どの作品のどのキャラになるか」
「ちょっとね」
「ロジにする?」
佳奈は友人達に言った。
「この作品の」
「そうする??」
「この前二期やったしね」
「あれでいく?」
「制服で」
「それかね」
ここで今放送中の作品のキャラの服を出す佳奈だった、画面に赤いミニスカートの制服が出て来た。黒ストッキングもある。
「これとか」
「あっ、それもいいわね」
「いい感じじゃない」
「じゃあそれでいく?」
「その服で」
「そうしようかしら、ただこれもね」
今度も今期の作品だった、バイクに乗って旅をする作品の主人公の服だ。
「いいわね」
「ああ、それもね」
「結構いいわね」
「ボーイッシュな感じでね」
「いけるわね」
「これもあるし」
今度は地獄を舞台にした作品の主人公の衣装だった。
「角も付けてね」
「あとは髪型をちょっとしたらよね」
「桃太郎さんとか閻魔さんもいるし」
「そっちもいい感じかしら」
「何か本当に色々で」
はまっている作品とキャラが多くてというのだ。
「どうもね」
「迷うわね」
「どうしてもね」
「一体何を着るのか」
「今回のコミケでは」
「いや、どうしようかしら」
溜息と共にだ、佳奈は友人達に問うた、
「今回は」
「ううん、どうしたものかしらね」
「正直私も迷うわ」
「私もよ」
「今期面白い作品多いしね」
「いいキャラも多いし」
そのキャラが着ている服もだ。
「具体的にどれにするかってなると」
「ちょっとね」
「迷うわよね」
「どうしても」
「ここは」
「そうなのよね、どうしたものかしら」
本当にというのだ。
「ここは」
「まだ時間あるし考えていきましょう」
「具体的に何着るかね」
「確かに色々あるけれどね」
「着て行く服はちゃんと考えましょう」
「それはね」
「そうよね、本当にどうしたものかしら」
ゲームキャラの服までチェックしだした佳奈だった、だがそれをしてもだった。どうにも選べず佳奈は友人達を選び続けた。
そうこうしているうちに選べる時間もぎりぎりになってきた、それで佳奈は一緒にコミケに行く友人達に言った。
「今日で決めましょう」
「そうよね、もうぎりぎりだしね」
「選べる時間はね」
「だったらね」
「もうね」
それこそというのだ。
「それならね」
「もうよね」
「決めるしかないわね」
「今日でね」
「ええ、そして今日お家に行って」
佳奈は友人達に真剣な顔で宣言する様に言った。
「決めましょう」
「よし、じゃあね」
「今日佳奈ちゃんのお家で決めましょう」
「何を着ていくか」
「どの作品のどのキャラかもね」
それぞれが着る服をというのだ、友人達も頷いてだった。
佳奈の言葉に頷きこの日は佳奈もソフトテニス部の部活を休んでだった、自分の家に友人達と共に帰ってだった。
服をパソコンでチェックしつつ色々と話した、しかしどうしても決まらずそれは真夜中になってもだった。
どうしても決まらずだ、佳奈も他の面々も疲れきっていた。そうして友人達は佳奈にへとへとになった感じで言った。
「ねえ、どうする?」
「いよいよタイムリミットだけれど」
「まだ決まらないけれど、全然」
「どうする?」
「どうしようかしら」
「もうね」
佳奈も疲れきっている、正直もう考えがまとまらなくなっている。疲労の極みにある為であるのは言うまでもない。
「何でもいいから決めたいわね」
「そうよね」
「もうこうなったらね」
「とにかく決めたいわね」
「そうして楽になりたいわ」
「それで家に帰りたいわ」
それぞれ家族には佳奈の家にお邪魔して遅くなるとは言っていてもだ、明日も学校なので出来るだけ早く休みたいのだ。
それは佳奈も同じでだ、ここで友人達にこう言った。
「ねえ、もうね」
「もう?」
「もうっていうと?」
「あみだくじでね」
それでというのだ。
「決めましょう、まずはどの作品か決めて」
そのあみだくじでというのだ。
「その後はね」
「どのキャラを誰がするか」
「それも決めるのね」
「あみだくじで」
「そうするのね」
「そうしましょう、もうこれならね」
あみたくじならというのだ。
「迷わないでしょ」
「それはね」
「もうあみだくじならね」
「すぐに決まるわね」
「それじゃあよね」
「あみたくじで決めましょう」
「それならいいわ」
佳奈は疲れきって決断したが友人達も疲れていたので同意だった、それで皆それでいいとした。こうしてだった。
佳奈はあみたくじを作ってまずは作品を書いた、そうして適当なラインを目を瞑って選んでそうしてだった。
ラインを選ぶとそこから進んで決めた、それで作品を決めてだった。
次は誰がどのキャラになるかを選んだ、そうするとものの十分でだった。
全員決まった、佳奈はあみだくじが終わってから友人達に行った。
「これでいい?」
「ええ、いいわ」
「もうこれでね」
「それでいきましょう」
「じゃあ今日はこれで解散ね」
「お疲れ様よね」
皆も反論しなかった、それでだった。
それぞれの家に帰って休んだ、佳奈はそのまま風呂に入ってから寝た、皆何はともあれ選び終わってよかったと思った。
そして服を注文してコミケの日に着た、選んだのはある数年間放送しているアイドルアニメのメンバーの服だったが。
人数分あったので丁度よかった、それぞれのキャラになってコミケに出るとだった。
「あの娘達いいよな」
「ああ、あのアニメでいったんだな」
「丁度メンバー分いるしな」
「ドレミファソラシでな」
「いい感じだな」
「皆可愛いし」
「似合ってるぜ」
見ている面々も言う、今の佳奈達を見て。
「流石に歌やダンスはしないだろうけれどな」
「それでもな」
「いい感じだな」
「そうだよな」
「可愛いじゃないか」
「写真撮らせてもらうか」
こんな話をする面々がいた、その声を聞いて当人達も話をしていた。
「好評みたいね」
「そうよね」
「皆注目してくれてて」
「可愛いとか言ってくれてる人もいるみたいだし」
「最後の最後まで何着ようか悩んでたけれど」
「この服にしてよかったわね」
「あみだくじで選んだけれど」
その言い出した佳奈の言葉だ。
「けれどね」
「それでもよかったわね」
「あみだで選んでも」
「正直運頼みのどうでもなれだったけれど」
「それで選んでね」
「ええ、というかね」
佳奈はふと思って友人達にその思ったことを話した。
「下手に考えるよりもね」
「もう一気に決める」
「あみだでも何でもいいから」
「そうした方がいい場合もある」
「そういうことかしら」
「そうかもね、もう私もあの時はね」
決めたその時はというと。
「どうでもなれだったのよ」
「何でもいいから決めたい」
「決めて楽になりたい」
「そう思ってだったのね」
「あみだにしたの、けれどね」
それでもというのだ。
「それで上手くいってよかったわ」
「そうよね」
「写真撮らせてって言う位の人もいるし」
「流石にそれは私達自身に許可してからにして欲しいけれど」
「それだけいいってことだし」
「よかったわ、それじゃあね」
自分が今被っているピンクのショートのウィッグを触りつつ言う佳奈だった。他の面々もそれぞれピンク、金色、赤、黒、青、緑のウィッグを被って衣装を着ている。どのウィッグもそれぞれヘアスタイルが違う。
「これから同人誌売りましょう」
「私達が売り子になって」
「そのうえで」
「そうしましょう、こっちも頑張ったり」
締め切りぎりぎりまで死ぬ思いをして描いたのだ。
「じゃあね」
「ええ、皆でね」
「頑張って売りましょう」
「売り子の方も頑張って」
「そうしてね」
他の面々も佳奈の言葉に笑顔で頷いた、そしてだった。
佳奈も友人達もそのコスプレの恰好で売り子も頑張った、そうして他のサークルの同人誌も買いコミケの楽しみを満喫した。
コスプレ衣装 完
2017・11・22
ミラクリエ トップ作品閲覧・電子出版・販売・会員メニュー