平等に愛はある。
世界は愛で溢れている。
そんな事を思うぐらいに暇である。
漫画はともかく、今どきライトノベルの一冊も置かない学校の図書館なんて、冷房が聞いている時ぐらいしか生徒は集まらないだろう。
ただでさえ階段を使い三階まであがると言う面倒な場所にあるのだから、ライトノベルの一冊ぐらい置かないとどうしようもない。
いや、ライトノベル一冊ぐらい置いたって現状は変わらないか。
むしろライトノベル一冊とか改革をやる気あるのかとなるだろう。
若者の活字離れが深刻だと言いながら、ライトノベルの一冊も置こうとしない、図書館の先生や委員長では何一つ変えれないだろう。
つまりは図書委員である私は暇であると言う事だ。
そんな私を差し置いて、窓の外にはサッカー部の連中が汗水と大声を撒き散らしながら、サッカーをしているし、サッカー部の連中から見えづらい木の側では女子マネージャーが、また誰かに告白されている。
そんな青春が溢れている場所が見えていると言うのに、こっちは見ているだけときた。
格好いいユニフォームを着ているキャプテンでも補欠でもない、いつもジャージな奴が、皆に人気な女子マネージャーに告白される位の展開があってもいいはずなのにそれも起こらない。
おいおい、ここは本当に日本なのか。
ライトノベルがある日本なのか。
同じ時間、場所にいるのに、こうも違うのならば、さっきまで思っていた世界は愛に溢れているだの、平等に愛はあるだのなんてちゃんちゃらおかしく思えてくる。
まぁそう思ったところで、私だって何一つ変えることは出来ない。
ライトノベルの一冊も図書館に置けやしないし、青春が溢れている場所に身を置くことも出来ない。
せいぜい眺めるだけである。
勝手に名付けたジャージ男が女子マネージャーに告白されるような青春が溢れている場所でさえも、起きないような私的に面白い展開を期待しながら。
今日も私は暇だと、ライトノベルでも見るかのように青春が溢れている世界を見る。
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