変わらない性格

田舎の朝は早い

新聞のバイクの音
お年寄りが散歩する声

子供がラジオ体操に向かう騒がしい声

明日香はなんとか使えそうな布団を取り出し
浅い眠りの中で一晩を過ごした

今日は布団を干そう

そう思いながらもゴロゴロまだ眠りたい感じ

朝ごはんどうするかな…
夕飯は新幹線の駅で買ったお弁当で済ませたけど
ここにはコンビニもないし
あるのは昨日花を買った商店だけ
朝からカップラーメン買うのもなんか嫌な感じ

明日香はとりあえず布団から身を出すと
キッチンに向かった

インスタントコーヒ
まだ使えるかな？

とりあえず電気ポットでお湯をわかす

まだ寝ぼけ眼の明日香
シュンシュンと噴き出す湯気を眺めていた

「明日香～！起きてる～？」

「！？」

玄関から誰か私を呼ぶ声がする

「菜摘よ！おはよう～！」

明日香は急いで玄関に行き鍵を外すと扉を開けた

「チャイムの乾電池切れてるみたいだよ？何回か押したんだけど！」

菜摘は朝から元気だった
昨日と同じ子供と手を繋ぎニコニコとしていた

「あ、ごめん…おはよう、どうしたの？」

「私、子供会のラジオ体操の当番なの～」

いや
聞きたいのはそれではない

こんな朝早く
知人の家に何の様？

「昨日みんなと会おうって言ったじゃない？時間決まったんで報告きたのよ！」

ああ
菜摘は相変わらずそういう行動は早いな

相手が気を使って言った事とか
やんわり断ってる事とか気がつかないのか
気がつかないふりなのか

明日香は苦笑いしながら

「そう…」

と答えた　　

「昨日も言ったけど晴美はわけありで外出できないのよ。だから集合場所は晴美の家に決定したから！」

晴美のわけあり
何故か詳しく言わない菜摘
自分の目で見てみろって事なんだろうな

「有紀は仕事終えてから来るみたいだから、夜来るから」

明日香はふあっと欠伸をすると

「じゃ結局何時に行けばいいの…晴美ん家に」　

「迎えに来るから私が、新しい晴美ん家知らないでしょ明日香？」　

「うん、知らない」

菜摘は興奮が押さえきれない
せきをきる様に話続ける

「じゃあ、じゃあ、四時半くらいに迎えに来るわよ！」

「…うん」

四時半？
この人は主婦じゃないのかね？
忙しい時間じゃないの？

「楽しみー！なん十年ぶりだろう！」

ニコニコ笑う菜摘

まぁ喜んでいるんだから　
いいか？

明日香はにっこり微笑み返すと

「じゃあ、まってるね」

と
菜摘早く帰らないかなと思いながら
半ば強引に話を遮った