射水市のご当地キャラクター
 富山県射水市応援キャラクター『イミズちゃん』、イミズちゃんこと海王いみずはこの立場でいつも富山県射水市の為に働いているが。
 市役所の人にだ、イミズはある日こんなことを言われた。
「最近富山県も、ですね」
「前からだけれどね」
 市役所の人はイミズに真剣な顔で答えた。
「新潟、金沢、岐阜とね」
「他の県に囲まれていて」
「気が抜けないよね」
「そう言われますと」
 イミズも否定出来なくて真剣な顔になった。
「どうにも」
「そうだよね」
「どの県にもですね」
「そう、絶対にね」
 市役所の人は考える顔でさらに言った。
「負けられないよ」
「何処にもですよね」
「何処も強敵だね」
 結論から言えばそうなるというのだ。
「正直言ってね」
「ううん、そう思いますと」
「富山そしてこの射水市もね」
「頑張っていくべきですね」
「これまで以上に努力しないと」
「富山県にしても」
「何もしないではよくないよ」 
 周りの県に対して、というのだ。
「だから何とかしたいけれど」
「それで私にですね」
「今相談しているんだ」
 それでというのだ、市役所の人はイミズと市役所の食堂で食べながら話をしている、イミズは通っている高校から市役所に来て話を聞いているのだ。食事はご馳走になっている。
「この通りね」
「そうですね、ここは」
「ここは?」
「もう思い切って派手に宣伝します?」
「具体的には」
「富山の可愛い娘を出すとか」
 イミズは市役所の人に考えつつ話した。
「最近流行りのご当地アイドルとか」
「じゃあもう決まりだね」
「決まりっていいますと」
「だってイミズちゃん最初からじゃないか」
 それこそとだ、市役所の人は自分の目の前にいるイミズに告げた。
「富山県射水市応援キャラクターなんだし」
「だから私もですね」
「うん、応援キャラクターとして」
 射水市応援キャラクター、それにだ。
「やっていこう、市としてどんどん宣伝するから」
「協力してくれるんですね」
「県にも話しておくよ」
 富山県にもというのだ。
「県庁そして知事さんにね」
「そうしてですか」
「街の宣伝をしよう、ご当地応援キャラクターも」
 それもというのだ。
「ゆるキャラと一緒でね」
「人気があるからですね」
「それでやっていこう、新潟にも金沢にも負けていられないし」
「岐阜にもですね」
「そう、だからね」
 それ故にというのだ。
「積極的にやっていこう」
「派手にですね」
「イミズちゃんが言う様にね」
 こう話してだ、そしてだった。
 イミズは応援キャラクターとしてこれまで以上に頑張ると言うことでこれまで以上に活動を活発にさせたのだった。
 歌って踊って動画をあげてだ、そうするとだった。
 これまで只の応援キャラクターだったがそれでもだ、歌と踊りが動画サイトでも人気が出た。特に。
 市役所の人はイミズに話した。
「街の観光名所や美味しいお店の紹介がね」
「受けてますか」
「うん、実際に県内だけじゃなく県外からね」
「人が来て」
「いい感じになってるよ」
「それは何よりですね」
「応援キャラクターとして」
 そしてだった。
「歌と踊りがね」
「人気が出ていますね」
「うん、それにね」
「それに?」
「一番人気があるのは」 
 それはというと。
「イミズちゃんが色々市内を宣伝した」
「あの動画ですか」
「色々紹介したけれど」
「あの時は」
 イミズはその話をされるとだた、どうにもだった。
 難しい顔になってだ、市役所の人に話した。
「何かとお話に苦労しました」
「それぞれの場所を事前に勉強してね」
「台本も覚えてでしたし」
「うん、けれどその紹介がね」
「人気だったんですか」
「そうだったんだよ」
 こうイミズ本人に話すのだった。
「本当に」
「そうなんですか」
「だからこれからもね」
「市内の有名なお店や名所の宣伝をですか」
「時々でもしてくれたら」 
 そうしてくれたらというのだ、イミズが。
「嬉しいよ」
「市の宣伝になるんですか」
「イミズちゃん自身の人気もあがってるよ」
「私の紹介が」
「ご当地応援キャラクターはねはやっぱりね」
 市役所の人はイミズにこの現実を話した。
「市の紹介もね」
「仕事ですか」
「そう、そしてね」
「人気が出て宣伝にもなるんだよ」
「そうなんですね」
「地元の紹介をしないご当地キャラクターは」
 それこそとだ、市役所の人はこうも言った。
「殆どいないんじゃないかな」
「そうですか」
「有名なゆるキャラも今はメジャーになっている人も」
 今もというのだ。
「大抵水着になってるからね」
「ご当地キャラクターのお仕事ですか」
「歌や踊りと並んでね、あと今度予算は少ないけれど」
 市役所の人はイミズにあらためて話した。
「地元の劇団の人とね」
「劇団っていいますと」
「ドラマも撮影するから」
「私も出ますか」
「主役でね」
「そうですか」
「これも動画サイトにあげるから」
 ご当地ドラマ、それをというのだ。
「そっちも頑張ってね」
「わかりました、そうしてですね」
「ドラマでもね」
「射水市の宣伝をですね」
「していこう、撮影場所は全部市内だから」
「市の宣伝でもあるからですね」
「そうしていくよ、しかし」
 市役所の人は腕を組んで考える顔になってこうも言った。
「宣伝しようと思えば色々あるね」
「そう言われますと」
「イミズちゃんがいてくれたら」
「私がですか」
「軸になってくれてね」
 宣伝のそれにというのだ。
「色々出来ているよ」
「それは何よりです」
 イミズにしてもだった。
「私が市の役に立っているのなら」
「また言うけれど負けていられないからね」
「周りの県にですね」
「県自体がね」
「だからですね」
「若しドラマが成功したら」
 射水市を舞台としてたそれがだ。
「もっとね」
「大きくですか」
「今度は県を舞台にしてね」
 富山県、この県をというのだ。
「それでだよ」
「ドラマをですか」
「作るかもね、ご当地怪人もいるし」
 この富山県にはというのだ。
「彼にも出てもらって」
「あっ、私の友達です」
 ご当地怪人と聞いてだ、イミズは市役所の人にすぐに答えた。
「あの人は」
「人なんだ」
「元は熊ですけれど」
「人って呼んだんだ」
「怪人ですけれどいい人ですよ」
「じゃあその彼にも出てもらって」
「そうしてですね」
「若し市のドラマが成功したら」
 今度はというのだ。
「その時はね」
「今度は県ですね」
「それでやっていって」
「あの人もですね」
「出てもらうよ」
 イミズの友人の怪人にもというのだ。
「富山も負けていられないからね」
「だからですね」
「頑張っていこう」
「全力でそうしていきます」
 イミズも応えてだ、そうしてだった。
 富山の為に活動していった、ドラマも好評でそこから県のドラマにもなっていった。しかし彼女の富山の為の活動は続くのだった。富山県がよりメジャーになる為に。


射水市のご当地キャラクター   完


                2018・10・27

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