始まりの土曜日
「……ん?」
土曜日の夜中、何故か目が覚めた、しかし体が動かない。
「ん……」
目が覚めているのに身体が動かない……これは
「ん……」
金縛りか、そう呟こうとしたが口も思うように動かない。
唯一動く目で周りを確かめる。
右の方に白い光が見えた。幽霊か!?
パニックになっている俺を更に怖がらせるかのように白い光は俺の上まで移動してきた。
「動けないでしょう……」
白い光から女性の声が聞こえた、俺の体が縮まった、いや動けないので多分気のせいだが。
「うら……」
白い光が薄れていき徐々に幽霊の姿が浮かび上がってきた。
「うらめしやー!」
お決まりのセリフと共に幽霊が完全に姿を現した。
「あ……う……」
やはり口が思うように動かない。
姿を現したその幽霊、髪は黒のロングストレート、少し大きめの目に白い服、そしてなにより
「美しい!!」
勢いで口が動いた
「え、は……へ?」
その幽霊、いや女性は目をまん丸にして少し固まった後に消えていった。
「あれ……」
しばらくして体が動くようになったので水を一杯飲んで寝た、恐怖はもう無かった。