プロローグ
現代よりも遥か昔。
突如、人々の中に特殊な能力を持つ者が現れた。特殊な能力を持つ者は『能力者』と呼ばれた。
最初は人々に利用され、好かれてきた。だが、人々は次第に『能力者』を恐れ、段々と気味悪がるようになった。
やがて、『能力者』は迫害を受けるようになった。
そして、『能力者』達は世界にある程度のダメージを負わせて世界から姿を消した。『能力者』は地下へ逃亡し、そこに新たな世界を創ったのだ。
しかし、『能力者』の一部に能力を増幅させることの出来る者達がいた。
彼らは理性がなくなる代わりに、絶大な力を得ることが出来るという『翼』を持っていた。
『翼』を持つ者は、空に新たな地上を作り、『天界』という世界を創った。
時は流れ、現代。
ある町に一人の少女がいた。強い風に、彼女の長い金色の髪がなびく。
少女は眩しそうに目を細めながら空を見上げた。
「空は、あんなにも遠いものだったんだな」
互いに干渉することのなかった三つの世界。この日から、世界は再び交わり出す。
運命は急速に動き出した。