【プロローグ】
※この作品は、あくまでもハートフェルトな日常を描く『SFコメディー・ハーレム作品』であることをお伝えしておきます。
「最早……一刻の猶予もない、そういうことだな?」
「はい……」
防衛長官室へ、一人の男性官僚が報告を行っていた。その報告を受け、長官はため息をつき。次に、真剣な眼差しを向け言う。
「分かった。急ぎ、ライラノ社へ。予定通り、メイロボの開発発注を行う!」
「は、しかし……」
「しかし、なんだね?」
「《メイドロボット》の開発が、『国防』とどう関係するのか。私には、どうにも分からないもので……」
男性官僚は、防衛長官に対し困り顔を見せていた。
「……なるほど、それは尤もな見解だな。まあしかし、心配はない。この事は総理を含め、閣僚全員納得してのことだ。今は極秘計画であるから、例え君であれ内容は言えないが……。計画が軌道に乗った暁には、君にも分かる様、詳しく説明することを約束しよう。きっと君にも納得できる筈だ。
君が、〝男である限りは〟な」
「男? ……はぁ、分かりました。その時を愉しみにしております」
男性官僚は一礼したあと、防衛長官室を出て行く。
そのあと防衛長官は、机の上に置いていたマニュアルを手にする。その表紙には、『《ライラノ社製》型式FMR01-A01型(試作)』と書かれてあり、長官はその1ページ目をゆるりと開いてみる。
そこには、開発コードネーム《フェアリーメイド試作01号機》とされる一体の美麗な少女の青写真が掲載されていた。
長官はしばらく真剣な眼差しのまま見つめていたが、間もなく「……でゅふ♪」とイヤらしくも意味ありげな笑みを浮かべ、舐めるように覗き込んでいたのである――。