前妻を亡くしてから、天帝は新しい天女を妻として迎えていたが、華具夜は継母となったその女をあまり好きではなかった。彼女は確かに天人としても良い器量の持ち主であったが、それでも天帝の側に相応しいと言えるほどではなく、またその性根は決して清らかとは言えない。また、時折感じられるトゲのような視線が、華具夜に継母から愛されはいない事、そしてそれを冷静に受け止める自分も相手を愛してはいない事を実感していた。
されど子でありながら親に逆らう事はできず、ずっと心の内に重しを乗せられたような気分を味わい続けるのであった。
或いはそれこそが、後に彼を暴走させる原因となったのかもしれない。
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