エピローグ
『海外のニュースです。反政府組織『シャレール』のトップの居場所が遂に判明し逮捕。これで事実的な壊滅となりました。』
アディはニュースを見ながら、ふーんと呟いた。
「これ、お前の仕業だろ? パウロ?」
振り向きもせず、独り言のようにぽつりと言葉を吐く。
「ここに来るって知ってたのか」
薬品棚の陰からひょっこり顔を出すパウロ。
「こんなことできるの、お前ぐらいだろ? 自慢しにくるぐらいは誰だって予想できるわ」
「読まれてたってことか……ところで彼女はどうなった?」
「マルシェちゃんのことか? 見ろよ」
「うーん?」
テレビを凝視するパウロ。
『続いてのニュースです。記憶をなくし、家族と離ればなれになっていたサーカス団員が唯一の肉親である妹と再会を果たし、無事記憶が戻ったとのことです』
「再会できたんだ。よかった……」
「あれ~? パウロちゃん泣いてんの?」
「そんなんじゃないし! うるせー!!」