Ⅱ 前例がない?
「…まさか、な」
「赤ん坊が関係しているかどうかはわかりませんが、その衝撃ののち、あの泉の水が干上がってしまっていたのは事実のようです」
「…警戒心の強い聖獣の森に足を踏み入れる者がそういるとは考えにくいが、第三者が関係していると考えるのが妥当か…」
(我が子を捨ててしまおうと考えている者が聖獣の森に立ち入るようなことがあれば…彼らに心を読まれ、自らの命さえも危険にさらされるはずだ)
「ええ、
キュリオ様のお力が行きわたるこの悠久の地で、泉が枯れるようなことは今までに例がありません」