Ⅱ―ⅰ 第三者の存在?
「このまま調査をすすめ、追って報告させていただきます。赤ん坊の出生が不明な以上キュリオ様もお気をつけください」
「……」
大臣の心配する言葉が聞こえなかったように、キュリオは女官たちに抱えられている幼い少女の姿を静かに見つめていた。
大臣が部屋を出て行って間もなく、食事の支度のため退室した女官たち。
彼の自室には幼い赤ん坊とキュリオだけが取り残された。
「大人しい子だねお前は」
キュリオは自分の腕の中、声もあげずにじっとしている幼子(おさなご)に目を向けると…大勢に抱き上げられ疲れたのか、ウトウトと目を閉じかけている可愛らしい姿が視界に飛び込んできた。