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 部長が言う喫茶店に着いた。今は出入口のドアの前だ。
 高架橋の斜め下、人通りの少ない往来に鎮座ましますその店は、フランスなどにありそうな、日本には似つかわしくない外見だった。とは言うものの、俺はフランスに行ったことがないので、ありそうかどうかはわからない。ただ、レンガがフランスの家屋みたく積まれていたので、そう思ったまでである。
 この店を形容する言葉として、便利なものがある。それはずばり、モダンだ。
 モダン――今風。個々の感性はそれぞれのものなので、どのようなものを今風と称するかはその人による。とどのつまり、俺はその店をモダンだ、と感じたのである。部長は全く違う考えかもしれないし、他の人に訊けば、ダサい、陰気臭い、と顔をしかめられるかもしれない。青二才には名状しがたい店。それが目の前にある喫茶店なわけだ。
 それにしても酸素が足りない。考えがまとまらないのはそのせいかも知れな――
「ゲーッホッゲーッホッ! はあ、はあ、はあ……おっぷ」
 ひいひいという音がする。それに吐き気も。それも詮方無い。俺は呼吸困難に陥っているのだから。
 あの後、部長はなにを思ったのか全力疾走を続けた。人気のない路地を、戦国時代の忍のような速さと足運びで。入店するはずの喫茶店を、オーバーランするのではないかという勢いで。行き掛かり上やむを得ず追いかけたが、ついて行くのに精一杯で追い付くことなんてできず、できたことと言えば、曲がり角で口元を綻ばせながらターンする部長を、げんなりした気持ちで眺めながらひいひい言うことだけだった。それが今の状況の原因。
 俺は苦しみを受け入れようとしているわけだ。息切れという苦しみを。けれどもどういうわけか、息切れしてるのは俺だけという……。
「意外に早く着いたな。もう少しかかると思っていたが」
 腰に手を当て、走る前と同じ流暢な調子で話している。店の看板を見上げながら。
「はあ、はあ、はあ……そ、そうですねイタタタタタ……」
 左の内蔵がよじれている。きっと。恐らく。いや絶対。それもそのはず、十分近く全力で走っていたのだから。どうして喫茶店へ行くのに、トライアスリートのような速度で息急き切って走らなければならないのか。汗水漬くとまではいかないまでも、シャツが若干張り付く程度には代謝が捗ってしまった。天地がひっくり返っても納得できるような理由がなければ、俺の不服は収まりそうにない。――正直に言おう。もう帰ってシャワー浴びたい……。
 不平不満が頭の中で渦巻いていると、離れて屈伸していた元凶が動きを見せた。
「さ、中に入るか」
 ドアノブに手を伸ばそうとしている。
「ちょ、ちょっと待って、はあ、ください。息が、はあ、はあ……」
 体力の消耗にへこたれていると、
「だらしないぞ」
 例によって仁王立ち。腕を組んで呆れていらっしゃる。諸悪の根源が。
「部長が、はあ、ふう、おかしい、だけです……」
 男の俺が追いつけない速度で走っておいて、「清々しい気分だ……」みたいな顔はおかしいだろ。ジャングルに住み着いてる野生児じゃあるまいし。
「まったく……近頃の若い者は」
 ターザ○は近づいてきて、俺の背中をさすりはじめた。
「あ、ありがとうございます……」
 後ろ首にむず痒さを感じ、顔に血が溜まった。
「気にするな」
 と、継続して平手摩擦。
 なんだ、案外優しいとこあるんじゃないか。まあ、変人だから瑕に玉だけど……。
「――ってどこ触ってんだ!」
 叫びつつ飛び退いた。
 距離を取って警戒の視線を変態に送る。
 ……あ、あ、あ、あろうことか、臀部をさわさわされた。それも痴漢のような手付きで。
 俺の……俺の穢れ無きお月様を。ホント何考えてんだこの人! 
 部長はにこやかに笑いながら外国人のような発音で、
「サロンシップサロンシップ!」
「スキンシップだろそれ! サロンシップは今日寝る前に貼るやつだよ!」
 足に六枚は貼るわ! 誰かさんのせいでな! 
『おいお前ら』
 部長はバカにした顔をし、
「ハハッ、誰がうまいこと言えと」
 俺はぷっつんした。
「あんたのせいだろッ!」
 人のケツ触っておいて言うことはそれだけか。初めて家族以外の女の人にケツ触られたんだぞ? 返せよ! 俺の純潔をヶッ! 
『おいお前ら』
 俺の憤慨を目の当たりにした部長は、胸の前で手を合わせて悲愴な表情を浮かべる。
「違うんです! 私はあの人に恨みなんてこれっぽっちも……。信じてくださいっ!」
「何の刑事ドラマ!?」
 もうわけわかんねえよ! と叫びだくなっていたら突然、
「らああああああああああああああああああああああああああああああっ!」
 雷鳴が轟いた。
「い!?」
 耳をつんざく轟音に俺は飛び上がり、
「む?」
 部長は校内放送に気付いたかのように顔を向ける。
 振り向いた先には、デカくて強面のおっさんが仁王立ちしていた。というのは俺の妄想で、実際は背の高いボンキュッボンなお姉さんが立っていた。モデル立ちで。
 雷かと思ったが、「おまえらあああああああああっ!」というカミナリだったようだ。「らあああ」の辺りから気付いたので、「おまえ」の部分が後から追い付いてきたのだろう。
 お姉さんは青筋が浮き上がるような形相で、せっかくの美しいお顔を台無しにしていらっしゃる。というか、すげえこわい。何が怖いって眼力《めぢから》が。眼で殺されそう。
 ちなみにこのお姉さん、にゃんこエプロンしてます。焦げ茶のエプロンで、二つ並んだポケットからアニメ調で描かれた黒猫と白猫が出てきており、白猫が黒猫の頬にキスをして黒猫が目をまん丸くしているものを。そう、○ジと○リーのエプロンである。
「入れ」
 メデューサお姉さんは親指で後ろのドアを指し示し、エプロンを翻して店に入っていった。

 ドアの上の看板に視線を移すと、「カフワ」と書かれていた。

     ※

 俺と部長は四人用の席に座っている。部長は窓側、俺は通路側で、対角の位置。客は他にいない。
 店内は窓の外さえ見なければ外国にいるような雰囲気だ。最も驚いたことは、レンガで作られた暖炉があったこと。外がレンガなのだから、中もレンガで当たり前ではないか、と思われそうだが、俺は、レンガの暖炉を見たことがなかったのだ。いや、物心つく前に見たことはあったかもしれないが、それより後では記憶にない。したがって俺は目を見開き、入店して最初にそれに目を奪われた。
 あとは香り。馥郁〈ふくいく〉たるそれに入店した瞬間目が冴えたほどだ。しかし、俺はコーヒーの香りを語れるほど通ではないので、前々から思っていたことを思考してみる。
 コーヒーの香りで落ち着くことが不思議だ。カフェインは摂取すると、覚醒作用――つまり興奮する。しかしコーヒーの香りは鎮静作用――すなわち落ち着くのである。香りによって集中力を上げるもの、気持ちを落ち着かせるものと種類があるようだが(ブルーマウンテン・グアテマラは鎮静作用で、マンドリン・ハワイコナなどは集中力上昇らしい)、これは面白い。
 コーヒーノキ以外にも、人間社会に浸透している植物は多い。食物になるもの、生活に利用されるもの、それらのみでも枚挙に暇がない。だがコーヒーノキのそれは、他のものから頭抜けていると思える。世界的嗜好飲料という点、その理由であるカフェイン依存を用いた種の繁栄。後者のそれは見事という他ない。人間という、自然にとっての害をも利用するその様は、毒を以って毒を制す、と言ったところだろう(カフェインには依存性・副作用・離脱症状・神経毒性があり、中毒を引き起こすこともあるのだ――その強かさも、珈琲の魅力の一つなのではないだろうか)。
 そう思いながらも、やはり鼻腔をくすぐる香りには勝てない。それが人間である。
 コーヒーの話はさておき、香りと同じくらい気になることがある。それはもちろん先の女性である。
 白のYシャツに黒のパンツ、そしてエプロンと、ヒールが低めの黒のローファーパンプス、といった出で立ち。店に招き入れたところ。それらを鑑みるに、
「部長、あの人ってもしかして――」
「来たぞ」
 訊こうとしたが遮られた。
 振り向くと、さきほどの女性がトレーを持って向かってきていた。
 眼光の鋭い女性は、俺達のテーブルに来て、『スマイル一億円』ともいうべき表情でトレーに手を伸ばし(年は三十手前といったところか)、
「ほらよ」
 すげない声とともにそれらを置いた。コーヒーカップ、ソーサー、ティースプーン。無造作なように見えて、その実、手を伸ばしやすい絶妙な位置に据えられている。
 俺はテーブルの四角張った縁に視線をつっと移し、湯気の上っているコーヒーにそっと戻して思い見た。
 ほらよ。ほらよ、とはどういうことだろう。ほら。そら・それと同じような言葉だ。何かを指したり、注意をひくときに用いる。いや、わかってはいる。この愛想のあの字もないような女性は、「珈琲をどうぞ」と言いたいわけだ。しかし、しかしだ。おかしくはないだろうか。俺は注文をした覚えはない。部長もまた然りだ。なのになぜ、勝手に頼んでもいない商品を持ってきた? まあ、おおよそサービスといったところだろう。それはいい。それは常識の範疇に納まっている。それよりも俺が最も言いたいことは――言うまでもない。敢えて訊くことがあるとすればそれは、「あなたはその輝くような笑顔でサービス業に身を置いているのですか?」、これである。
「兄ちゃん、こういうとこ初めてかい?」
 片手を腰に当て、モデルみたく重心を傾けた姿勢で訊いてくる。
 俺が! いつ! あなたの兄になったのか! 詳しい事情を訊きたいものだ! ……ああ、この店にホスピタリティがないせいか、頭痛がしてきた。
「そ、そうです」
 兄ちゃん……。この人はヤクザか何かなんだろうか。それかレディースとか? 
 こわいこわいこわいこわい。そんな目つきで見下ろさないで。お腹が痛くなるじゃないか。
 俺は怖気〈おじけ〉を震って、どうにも座りが悪くなってしまった。
「まあ、固くならなくていい。作法とか気にせず、ゆっくり味わってくれ」
 平民を居城に招いた領主の如く、固くなるな、とのたまう。そのおかげで、
「はひ」
 しゃっくりのようにどもってしまった。
 違うんですぅ。そっちの緊張よりぃ、こっちの緊張でガチガチなんですぅ。コフィ味わう余裕なんてないんですぅ。
 どうしてお客相手にタメ口なんだろう。お客様は舎弟ですゴラァってことかな。
 色めきながら返事をすると、姐〈あね〉さんは部長の方に向き直った。
「みいちゃん困るね、常連とはいえ店の前で騒がれちゃ」
 みいちゃん? 何それ。エプロンに描かれたにゃんこの名前かしら。
「すまないマスター。少し羽目を外してしまって」
 組んでいた脚を戻し、落ち着いた様子で気持ち頭を下げるセイ○ー、じゃなかった部長。魔力の流れを見る限り二人に契約のようなものはないようだ。それにしても、少し……少しね。……あれで? 
 姉貴はトレーを肩に乗せながら、ポージングを反対にした。手足なげえ。
「まあ、ちょうど少ない時間だったから良かったけどね」
 メンチを切るように笑う。俺は戦慄いた。
 ……え? 怒ってない……? 激おこじゃないの? あ、そう。顔見ただけじゃ虫の居所が悪いとしか思えなかったよ。いや今もだけどさ。
 トレーを下ろして目を輝かせる姐さん。俺は石化した。
「それにしても珍しいじゃないか。みいちゃんが同年代の男連れ込むなんて」
 ふむふむ。連れ込む……。連れ込むっ!? その連れ込むからは痴情のもつれから殺人事件にもつれこむニオイがしますよ!? そこはかとなく! 
 恐怖のあまり発話が辿々しいことになりそうなので、「同年代の男連れ込む」というワードは気にしないことにしたが、さて部長はどうだろう。この手の話題になんと答えるか。
「新入部員なんです」
 殺人事件なんです。と答えていたら俺の目玉は発射されていたかもしれない。マジンガーZに出てくる女ロボの胸みたいに。オパオパミサイル! 
「へえ。じゃ、コンパにここを選んでくれたってわけかい。光栄だねえ」
 腕を組みながら田舎のばあちゃんみたいなセリフを吐く。でもばあちゃんみたいなのはセリフだけだ。眼力のせいで極道の妻にしか見えない。
「ここなら、どこに出しても恥ずかしくないですから」
 そう言う部長は、恥ずかしがる様子もなく、堂々としている。
 うわあ、かっけえ。俺もそういうセリフ言ってみてえ。でもそれ、子の結婚を前にした親のセリフでもあるよね。
「はっ、褒め殺しかい? こりゃまいったね……」
 姐さんは両手を腰に当てて目を閉じ、
「よし、好きなケーキ頼みな。サービスだ」
 開眼とともに第三次産業の切り札を発動した。
 マジで!? ホントに!? どれでも好きなの頼んでいいの!? お母さん!? じゃなくてお姉さん! 
 もしかして気前のいい人なんだろうか。違う意味で気っ風のいい人には見えるけど。


 俺と部長はメニューを見て注文をした。したけど部長が、
「お代は払います」
 真剣のような表情で宣言した。
「いや、奢らせてもらうよ」
 目を光らせるのは姉貴。
「払います」
 部長は石化しない。それどころか語気が増す。
「だめだ。奢らせてもらう」
 姐さんの眼力も増していった。
 間の俺は風船のようにしぼんでいく。しぼみすぎて執り成すこともできない。
 あの……すいません、なんでそんな意地張り合ってんですか? 果たし合いでもおっ始める気? そんな、互いに譲れないものがあるようには思えないんだけど……。
「払います」
 その目は姐さんに負けていない。合戦前の武将のような眼差し、かもしれない。
「チッ。まあいい。今日はアタシが勝たせてもらうからね」
 チッて。チッて。舌打ちこええ。なんか勝つとか言っちゃってるんですけど。あと舌打ちこええ。
 姐さんは背を向けてカウンターの奥に戻っていった。
 部長はそれを見つめ、凛乎たる態度で、
「負けません。絶対に」
 キリッ。
 何かっこつけてんだこの人。

     ※

 俺と部長は一杯目をすでに干し、二杯目のコーヒーを飲んでいる。部長はアイスを慣れた手付きで。俺はブレンドをちびちびと。おごりのケーキを待ちながら。
 いくらか経った時、
「お疲れ様でーす」
 暢気そうな声が奥から聞こえてきた。
「おつかれ。着替えたらそこのケーキ頼むよ。三番のテーブルだからね」
 マスターもといメデューサ姉さんの声だ。
「はーい」
 暢気そうな声は間の長い返事をする。
 またバイトの子か。これで三人目だ。そう考え、すでにシフトに入っている二人のウェイトレスを見る。気付かれないよう横目で。店に入ってからずっと気になっていた。もう何て言うかチラチラチラチラ見ちゃう感じで。部長なら知ってるかもしれない。訊いてみよう。
「なんでここ、ウェイトレスの格好がメイド服なんですか?」
 フリフリのフリルに、踝辺りまであるロングのエプロンスカート。ハァハァ。ホワイトブリムとしてのレース付きカチューシャ。ハァハァ。黒のソックスに同色の編み上げブーツ。ハァハァ。ゴスロリが少し混ざったフレンチメイドのデザイン、ではなく、一般人を重視したメイド喫茶で見られるヴィクトリアンメイドのデザイン。昨今、マンガやアニメで目にするメイド服、それを着た女の子がウェイトレスをしている。ハァハァ。おかしい、このコーヒーなかなか冷めない。ハァハァ。
 部長はカップから口を離して顔を上げる。
「私が、そうした方が売上が伸びると提案したんだ」
 まあ、本当ですの? 一介の学生が、店の経営事情に口を出したと言うんですの? にわかには信じられない話ですわね。
「冗談じゃなく?」
「嘘はつかないよ」
 この一杯に誓う、とでも言うように腕を少し上げた。
 さっきから真人間みたいに振舞っている部長。だが実際は真人間通信○メーカーの結果といい勝負だ。そんな人のアイディアを採用した店はどうなったのか。
「で結果は……」
「私に毎度毎度奢ろうとするくらいは好況なようだ」
 部長は困ったものだよ、と続ける。
 それであの意地の張り合いか。そりゃ奢ろうとするのも当然だ。すげえな部長。あんな元レディースみたいな人に借りがあんのか。なにもんですかてめえ。
 そんなこんなで会話にフシギバナを咲かせていると、
「三番でしたよね?」
「ああ。頼んだよ」
 そんなやりとりが聞こえてきた。そろそろ来るかな。
「部長って、もしかしてすごい人だったり?」
 カップをソーサーに置いてなんとなく訊く。
 部長はなんでもない、とでも言うように口を切った。
「そうだな。素人が、冬場に軽装備で富士山に登ろうとするくらいはすごいぞ」
 俺は即座に言った。
「それ悪い方のすごいですね」
 すごい無謀だよ。まず遭難するからね。間違いなくヘリ来ちゃうよ。山は、やはり富士山に止めを刺す――って、それじゃ、富士山に止めを刺されちゃうじゃん。
 「部長のボケ」――おっと間違えた、部長の「ボケ」、を聞き咎めてからカップに口を付けていると、フリフリの気配が近づいてきた。
「お待たせしましたー。カラメルフロマージュとティラミスです」
 甘ったるい声とともに、小皿に乗せられた二つの甘味がテーブルに置かれる。それにより、ここに――甘味甘露の最強デュエットが完成した。ででん。
 来た来た、俺のメルちゃんと部長のミス・ティラノ。なんて調子に乗りながら、装飾の凝った洋菓子に目を奪われる。俺はすかさずカップに口を付けた。
(……大丈夫、気づかれてない気づかれてない)
「え!?」
 突然、横から声が上がった。
「え?」
 それに釣られ顔を向けると――
「ぶふっ!」
「きゃっ!」
 吹いた。コーヒーを。
(な、なんでこの子が……)
 とっさに首を戻したので、ウェイトレスにコーヒーがかかることはなかった。部長のティラミスも無事。だが、俺のメルちゃんが……、大惨事です……。
「汚いなさすが志津摩君きたない。しかしあの顔は初めて見たな」
 ニヤリ。したり顔で尻目に懸けてくる。
 気づかれてたあああああ! よりにもよってこの人に! そしてこのセリフ。……消えたくなってきた。底なしの穴の中に。
 ウェイトレスはトレーを盾にするようにして、顔を少し覗かせた。
「な、なんでほうきの人が……」
 それやめてっ!? それ今日のNGワードだからっ! 
 と言いそうになったが、グッと飲み込んだ。
 俺はとりあえず、テーブルに据えられていたナプキンで口と制服、テーブルをフキフキした。フキフキフキ。
 それが終わってから、
「ほうきの人はやめて。お願いだから」
 今はお客さんがいないけど、あまり大きな声で言われると困るんです。ほら俺、魔法使い見習いだから。「ほうき」とか言われると、一般人に正体がバレちゃうかもしれないんだ。三十歳までの厳しい修行の間、正体を知られるのは禁忌とされてるからね。
 そんな必死の思いが伝わったのか、ゆるふわロングのメイドウェイトレスは落ち着きを取り戻したようだった。
「う、うん……」
 しかし警戒までは解かず、トレーを下ろす様子はない。
(大丈夫、物分かり良さそうな子だからきちんと説明すれば……)
「ああ! そうか君か! どうりで見たことがあると思ったよ」
 ですよねー。そうなりますよねー。俺久しぶりに見ましたよー。握りこぶしで手の平をたたく人ー。ポン! ってねー。
 そこで俺は牽制球を投げることにした。
「部長、ちょっと黙っててくれますか?」
 と。
 が。
「それはいやだよ」
 ………………。
 直撃雷を受けた気分になった。
「……さ、さいですか」
 そ、そんな他人を見るような真顔で言わなくても……。前回と落差がありすぎて対応に困るんだけど……。
(ああ、だめだ。ここからグダグダの泥沼になってしまうに違いない……)
 脳内で途方に暮れていると、渡りに船とばかりに天使が手を差し伸べてくださった。
「あの、お二人はあの教室でなにしてたんですか?」
 両手で持った盾はそのままに、おそるおそる訊いてくる。
 俺はすかさず助け舟の天使に手を伸ばした。
「あれは部長のおふざ」
「それはもう組んず解れつと言うか……なあ?」
「なあじゃないでしょうが!」
 伸ばした手は無残にもはたき落とされた。
「きゃっ……」
 そこ! 顔赤らめんな! 違うから! トレーに隠れてないで俺の目を見ろ! 
 どうやら船は泥船だったらしく、天使は天使でも堕天使だったらしい。なんという巧妙な罠。アザゼルの奸計であったか。
 しかし俺はめげない。
「ち、違うんだ。あれは部長がふざけて変なこと言い出すから、ああするしかなかったっていうか……」
 そう、ほとんど部長のせい。多分七・三くらいで。主観で言わせてもらえば十二・零の割合で。
「じゃあ、さっき言ってたのは……」
 メイドは鼻から上だけをそろっと見せる。
「あれは嘘だって。この人ちょっとおかしいから」
 ちょっと? ちょっとってなんだ。なんでちょっとオブラートに包んだ俺。
 と自分の発言に煩悶していたら、
「だから私は嘘をつかないと言っただろ――」
「だから部長は黙っててくださいって言ってるじゃないです――」
「――だからそれはいやなのっ!」
 プイッ! 
 言い募ると同時にしゃらっと顔を逸らす。
 ……もう、誰かこの人どうにかしてっ!? 
 とんだ強突く張りに半分自棄になっていると、ウェイトレスはトレーを下ろしながら口を開いた。
「そうだったんですか……」
 良かった。わかってくれたみたいだ。これで少しは部長も落ち着くだろう。
「私てっきり、ほうきを使って何か……い、いやらしいことをしてたんじゃないかと……きゃっ……」
 だめだあああああ。収集つかねえええええ。てかほうきを使ったいやらしいことってなに!? どんな状況!? そっちの方が気になるわ! 
 事態の紛糾に頭を抱えて天井を仰ぎ、テーブルに突っ伏した。だが、このままではまずいと直感が働き、すぐさま復活する。
 いかんいかん。そんな誤解をされたままでは変態という烙印を押されているも同じ。何とかわかってもらわないと。
「違う違う。そんなふしだらなことは一切――」
「ああ、そうだ。君、うちの部に入らないか?」
 そうそう、君、うちの部に入らないか? ……って、え。……え? なにそれ。なんで勧誘してんの? いきなり。「ああ、そうだ」って、その「ああ、そうだ」? ……ああ、そう。で、なんで勧誘してんのよ? いきなり。
「突然何言ってるんですか部長……」
 俺は藪から棒の発言に不意を突かれたが、彼女はそうではなかったらしい。冷静に耳を傾け、部長を正視している。
「どんな部活なんですか?」
 割りと真剣そうな顔で訊く。
 いやいや、真面目に受け取らなくていいからね。この人、思いつきで言ってるだけだから。
「お喋りをする部だ」
 談話って言えよそこは。腕組んで言ってもそれじゃカッコつかねえだろ。
「いいですよ。楽しそうですし」
 メイドは楽天的に笑って答えた。
 決断はやっ! そんな即断即決でいいの? 人生の分岐点だよ? この選択で、将来結婚する人が出木○かの○太かに分かれるかもしれないんだよ? 君、それくらい考えて決めた? 
「ほんとにいいの? さっきはああ言ったけど、この人、ホントに変人だよ?」
 この際なので直截簡明に言った。
 ひどいこと言ってるような気もするけど、間違ってないと改めて確信。マジでダリってますわこの人。ダーリンダーリン♪ どこか行ってー♪ 
「でも、他に楽そうな部活ないですし。うーん……うん、やっぱり入部します」
 ひとしきり考えることもなく、ものの数秒できっぱり答えが出た。は、はええ。夏場、台所を飛び回ってるハエよりはええ。
「そ、そう……それならいいけど」
 楽しそうが楽そうになった。本音が出たな。
「では来週にでも入部届を提出してくれ」
 部長が言うと、
「わかりましたー」
 敬礼のポーズ。(や、やはり天然かこの子……)
「ご、ごめんね。バイト中に」
 バイト中の生徒勧誘するとか、どんな神経してんだこのメガネ。少しは人の迷惑も考えろよ。なんで俺が謝ってんだ。
「いえいえ。それよりも、ケーキ新しいの持ってきましょうか?」
 私のせいかもしれませんし、とメイドは付け加える。
 俺のメルちゃんは黒酢をかけたフレンチトーストの切れ端みたいになっていた。このままではメルちゃんを青春の一ページ的な味で甘受せねばならなくなる。なるのだがしかし、
「いや、自分のせいだから食べるよ。これ店長のおごりだし」
 俺は決めた。どんなメルちゃんも愛そうと。
 別に店長が怖いわけじゃない。店長がコーヒーまみれのケーキを見て、「アタシの好意を受け取れないってわけかい。へえ、いい度胸だねえ」なんて言うのを想像したわけでもない。俺が怖いのは、店長の好意に泥を塗ってしまったこと、それを知られることなのだ。だから決して、メデューサ姉さんが怖いわけではない。うん。
「そうですか、わかりました。何かあれば呼んでくださいね」
 そう言って、彼女は仕事に戻っていった。
 大丈夫かなあ。なんかあの子が加わると、収集つかなくなる気が……。いい子なのは間違いないんだけど。
 杞憂に終わってほしい不安要素を危惧していると、ほくそ笑むような声が出し抜けに響いた。
「ふ、計画通り……」
 口の端を釣り上げている策士に対し、俺は告げる。
「部長、お客がいる時にその顔したら、俺問答無用で帰りますから」

 ドヤァ。

     ※

 予想だにしない再会と勧誘の後、しばらく客の出入りがあった。その間、俺と部長はさしたる会話もせず、ただ、ただひたすらに甘味と苦味とを喫するという、これまた予想外な様相を呈することとなった。部長は静かで、何か悪いものでも食べたかな? と疑いそうになるくらいは普通の人然としていた。
 今まで続いていたものが、ある時を境にひたと止んでしまう。そういう事態に直面すると、人は違和感を覚えるものだ。俺自身も、そういったマジョリティの例に違わず、それに思考を揺さぶられてしまい、いつもは間を置かず出てくる話題なんてものを探すはめになってしまって、そんなことに没頭していたら、あることにはたと気付いたので、それに縋ることにした。つまるところ、自己紹介を済ませていなかった件のメイドを呼んで、名前を訊いたのだ。名前は『七鳥ことり』で、同学年だった。俺は自己紹介をしたが、部長は「自分の名前は部長です」と言って聞かなかった。まあ、予想通りといえば予想通りだ。

     ※

 客足が収まって、再び俺達だけになった時、部長はマスターを呼び出した。
 そつのない運びで、逆に言えばそつがなさすぎて、安心や安定感、泰然さえも超越し、我が国を闊歩する暴君の如く見える足取りで、其の人は俺達に近づき、
「アレかい?」
 不明瞭な代名詞とともに部長を睨んだ。
 いや違う。これは多分……笑っているのだ。どうしても「アレ」が法に引っかかりそうな『アレ』にしか聞こえないが、これは部長の意図を汲んで、そういうことだろ? とほくそ笑んでいる顔なのだ。多分きっと恐らく。
「お願いできますか?」
 部長は礼を損なわない声音で言う。
「わかったよ。今なら客も少ないだろうしね」
 マスターはしょうがないね、といった風に肩をしゃくり。そしておもむろに奥へ戻っていった。
 ……何をおっぱじめる気だ。何を。

 しばらく待っていると、何やら長方形の箱を提げて戻ってきた。そして箱、じゃなくてケースから取り出したるは……まさかのヴァイオリン。
 え。それ、バット代わりに使うの? 誰に使うの? なんとか組の人に? と戦慄していたら、ペグを回して調弦を始める。それが終わると、出入口から見て右側にある空きスペースに移動した。
 こちらを向いて静かに一礼。肩にヴァイオリンを置き、顎で挟みこむようにして支え、最後に粛々とした所作で弓を構えた後、一呼吸置いて演奏が始まった。



 長閑〈のど〉やかな春の日の昼下がり、小さな隣人の声が聞こえ、私は戸を開けた。外に出て声の主を探すと、かわいらしい隣人は樹の上で一人歌っていた。少し近づいて、「友達はいないのかい?」と訊くと、こちらを向いてあいさつしてくれる。それに温かい気持ちで応じると、隣人は翼をひろげて飛び立っていった。太陽に向かうその姿を、私はやわらかい心で見つめていた。

 ある日のこと、長らく聞いていなかった声に惹かれ、外に出た。木の上を見ると、隣人の傍らには私の知らない人がいた。彼らは踊るように話していて、私が「友人を紹介してくれるかい?」と近づいて訊くと、彼らは「私のこともそうだ」、と言うように周りを飛び回りながら歌い出した。私はすっかり楽しくなってしまって、踊りだしそうな気持ちで一緒に歌った。そうしていると、私の友人がやってきてこれに加わり、私は、さらに幸せな気持ちになった。

 幾らか経って、隣人とその友人が、生涯を共にする間柄になった。私と、私の友人は、それを祝うためにお茶会を開いた。樹の下で行われたお茶会は、彼らと私達の歌声で彩られ、ダンスによって心躍る時間となった。
 彼らは樹の上に家を作り、本当の隣人となった私達は、毎日賑やかに歌って過ごした。


 手を叩く音が聞こえる。考えるまでもなく、拍手だとわかる。
「ありがとうございました」
 部長の声。それを聞いても俺は目を開けることなく、余韻に浸っていた。
「悪いね、下手な演奏で」
 マスターは無愛想に言う。
「どうだった? 志津摩君」
 そう訊かれて、思い出したように目を開き、少しまごついてしまった。
「えっと……いや、感動しました。どう言ったらいいかはわかりませんけど」
 どうしてそんなことしか言えないのか。心の底からそう思う。
「そうかい。ちっとは出し物として見れた、じゃないな、聴けたものだったみたいだね。それじゃアタシは奥にいるから、何かあれば呼びなよ」
 ヴァイオリンをケースに戻してから、マスターは奥に戻っていった。
 それを見ていると、にわかに部長がこちらを向く。
「志津摩君、辞めてもかまわない」
 いきなりで混乱した。
「えっと、何をです?」
「部をだ。確かに入部したが、今日は仮入部として考えてくれてかまわない」
「は、はあ……」
 少し考えると、答えに行き着いた。要するに、体験入部という選択肢があったにもかかわらず入部した俺を気遣ってくれているのだろう。いろいろあって気づかなかったが、そういう選択肢もあったのだと。
 ふむ。それならお言葉に甘えて、猶予期間ということにしておいてもらおうか。
「まあ、考えておいてくれ」
 そう言って、少し冷めたコーヒーに口をつける。
 返事をしてから、それに倣った。

     ※

 会計の時は大変だった。店長は「サービスだ」と言って聞かないし、部長は部長で「払います」の一点張り。終いには払うの活用形まで言い始める始末で、「払われるのがいやなら土下座してください」なんて言い出し、マスターが「よし」と言いながら本当に膝を突き始めた時は焦った。
 結局、店長に「二人分は悪いですから俺にも払わせてください」と言って聞き分けてもらった。ちょうど二人の代金が同じだったので、割り勘ということにすればいいと思ったのだ。
「そんなに払いたいなら払えばいい。体でも何でも使って」などと、部長の方まで聞き分けがよかったのは不思議だったが、気まぐれなのか、それとも何か下心があるのかはわからなかった。
 当初は部長のおごりだったので、もったいない事をしたと言えば違いない。だが、マスターを土下座させてしまった時の、いかんともし難い気まずさを味わうよりはましだと思った。

 勘定の後、部長が出ていき、俺も続こうとしたところ、
「おい、兄ちゃん名前は?」
 レジカウンターから声がかかった。
 兄ちゃん? 兄ちゃんって誰? 俺そんなデカイ妹持った覚えないけど。俺が妹と認めるのは、「お兄ちゃん大好きっ!」って飛び込んでくるロリっ娘だけだけど。
「志津摩です」
「人の名前を訊く時は、まず自分から名乗るべきじゃありませんか?」
 そう言うやいなや、マスターは鈍く光る得物を手に襲いかかってきた。
「いい度胸じゃないかい兄ちゃん。ちょっとその胸の中見せてもらおうか!」
 とかそんなことになりそうで怖い。ドスの利いた声で叫びながら、ドスをドスッみたいな。舞妓さんがやるとちょっとシュールかもしれない。「今からあんさんの胸にこのドスをドスってするんどすえ。ほな」ってな感じに。逆に怖いどすえ。
「シヅマ、これみいちゃんに渡しといてくれ。すぐには渡すなよ、あとでだ」
 裏釘を返しながら札と硬貨を手渡してくる。俺はすぐに事情を察した。
「これ、部長のお代ですか?」
 部長のおふざけに対するお代なら、安すぎて突き返す額だ。「私を馬鹿にしているのかね!」って。恐ろしくてとてもそんなことできないけど。
「こうでもしないと、奢らせてくれそうにないからね。頼んだよ」
 すんなりした手足を何気なく動かして、例のモデルポーズでお願いしてくる。頼んでいるつもりだろうが、言われている俺は完全に下っ端の気分である。それに俺に頼まれても困る。マスターでもできないことを、出会って一日の俺にできるはずがない。その気にさせたいなら、お前を信じる俺を信じろ! とか気の利いたこと言ってほしい。
「わかりました。やってみます」
 でも断れない。怖いから。だって、入店してから一度も目を合わせられていないくらいこわいんだもん。今だって必死に顔の横のレンガ凝視してるくらいだし。餌付けされたせいで最早恐懼の域ですこれ。
「いいかい、渡すのは別れる直前にするんだよ?」
 サイコキネシスが発動しそうな表情で念を押される。
「了解です」
 頷き返してから、もう一度「ごちそうさまでした」と挨拶し、扉に向かった。
「また来な」
 という声を背に受け店から出ると、部長は一人で夕日を仰いでいた。例に違わず、腕を組んで仁王立ちで。
 ふいに。
「よし、走るか……」
「やめなさい」
 やさしく諭した。
 部長は向き直り、
「君の財布に入っている余剰金だが、私に渡す必要はないぞ」
 またぞろ急に話題を振ってくる。でも今回のそれは、俺も見当がつくものだった。
(なぜそれを。もうバレたのか……)
「今日は私のおごりだからな。それを君が渡さなければ、私は君におごる事ができる」
 まさか。マスターが必ず勝つと言っていたのをそこまで見越して? 俺のお代と額が同じだったのはそのため? 部長とマスターの言い合いに俺が割って入るのを予想してた上、店長が俺を使うこともわかっていたと? あの時妙に素直だったのは……。
 それが本当なら、部長を見る目を改めるべきかもしれない。
「頭いいんですね、部長」
 そうでなければ、そこまですることはできないだろう。少なくとも俺には無理だ。よく知らない人と喫茶店に入り、そんなことにまで思考を割く余裕はない、と思う。
「私は、君の方がすごいと思うが」
 部長は至極真面目に答えた。
 またわけのわからないことを……。そう思いながら、俺は諦めることにした。
 仕方ない。マスターにはああ言われていたけど、やっぱり俺には無理だ。このお金はまた今度来た時にマスターに返……こわいお。
「でも部長」
「ん?」
 これだけは言っておかないといけない。部長の今後のためにも。
「盗み聞きは良くないです」
 きっぱりとそう言うと、
「ごめんなさい」
 深々と頭を下げた。
 太陽に向かって。

maimaikapuri
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