最終話 そして、伝説へ
龍を倒し、平和が戻った長浜ではお祝いで花火が上がりました。これが長浜花火大会の始まりだったかどうかは誰も知らない。
花火が上がる中、長浜中の人が集まって宴を行いました。信長はモジャ太郎達を町の英雄として讃えました。宴会は夜遅くまで続きました。モジャ太郎達も宴会をとても楽しみました。これがモジャ太郎とその家来達が一緒に過ごした最後の夜となりました。
モジャ太郎達はそれぞれの道を歩むことにしました。
犬のイチは、龍との戦いで大量の経験値を得てレベルが8になりました。だから、モジャ太郎はイチの名前を「ハチ」に変えてやりました。その後、ハチは東へ向かい、東京渋谷でその生涯を終えました。その忠犬ぶりは今もなお語り継がれ、ハチの銅像はみんなの待ち合わせスポットとして、今もなお愛され続けています。
メカゴリラは織田信長に気に入られ、織田家に仕えるようになりました。信長から豊臣秀吉という新しい名前をもらいました。キタゴリラ、サル、メカゴリラとコロコロ名前を変えられてきたので、もう慣れっこでした。その後、信長から長浜城を任せられ、長浜はおろか日本を統一するすごい武将となりました。一匹のゴリラが天下統一を成し遂げる大出世ぶりはゴリラ界に夢と希望を与えました。
カイツブリのキジは南へ渡りました。野洲という場所で青年は中年のおっさんになりました。父の遺伝は色濃く、キジも同じバーコード頭になってしまいました。野洲のおっさんという名前でみんなから親しまれるようになり、テレビやイベントにも出るようになりました。グッズなども販売され、人気も好調です。
親カイツブリの方は相変わらず琵琶湖で暮らしています。湖北野鳥センターから、その元気な姿が今でも観測できます。たまに、おっさんの姿で水浴びをしてるみたいなので、見かけたらふんどしを取ってあげてくださいね。
龍はそのまま安らかに眠りにつき、その回りは木々に囲まれ、小さな小山となりました。その小山の姿形から北郷里村は臥龍の里と呼ばれるようになりました。
モジャ太郎は元のモジャモジャヘアーに戻りました。最後の戦いで食べた暫が賞味期限切れで暫くトイレから出てこれませんでした。その後、余呉川の流れに乗ってドンブラコ、ドンブラコッコと家に戻っていきました。おじいさん、おばあさんと仲良く暮らしてますが、オコナイさんが来る度にどこかに旅立つことにしています。
今年もまたオコナイさんがやってきてモジャ太郎はしばらく旅に出ることにしました。もしかして、また長浜を旅しているのかもしれませんね。長浜に来れば、あなたもモジャ太郎に会えるかもしれませんよ。もし、会ったらこう言ってください。
「モジャ太郎さん、モジャ太郎さん、お腰につけた暫、一つ私にくださいな。」
そしたらきっと、モジャ太郎は暫じゃなく、鮒寿司をあなたにあげようとするんでしょうね。
めでたし めでたし