毎日の練習。
週末ごとの練習試合。
部内恋愛禁止などと言われなくても、恋などする暇はなかった。
一応週に1度組まれたオフも、結局皆が外コートに自然に集まってバスケをしていた。
そこには、いつもみやびの姿もあった。
「バスケが生活の一部になっちゃって、オフって落ち着かないんです」
いつか2年のマネージャーに言っていた。
「えー。オフくらいバスケから離れたいよ。あんた、友達と遊んだり買い物したりしたくないの?」
先輩たちにそう言われても、みやびは笑っていた。
「いいんです。私、こうやって皆がバスケしてるとこ、見てるのが一番幸せなんです」
「バスケが恋人とか言うわけ?ま、あなたの勝手だけど」
先輩マネージャーが呆れたように言うわれ、「でも、部内恋愛は禁止ね」と釘を刺されていた。
「みやびちゃん、それって俺を見てたいってことだよね?」
おどける勇太に、みやびはイエスともノーとも言わず、ただ微笑んでいた。
その優しい目が自分に向けられている、秀典はそんな勘違いを頭をぶんぶん振って消し去った。
ミラクリエ トップ作品閲覧・電子出版・販売・会員メニュー