Ⅱ―ⅶ はじめての育児
「いえいえっ!邪魔だなんて!!滅相もないっ!!!
どうぞゆっくりしていってくださいませ!!」
ジルと呼ばれた白髪の大柄の男はよほど嬉しかったのかいつにも増して声を大きくし、またガハハと笑った。そしてひとしきり笑うと老人はふと我に返り、キュリオに声をかけた。
「キュリオ様、もしや朝食のリクエストでしたかな?」
それを聞いた見習いとおぼしき若い男が急いで紙と羽ペンを用意し小走りに駆け寄ってきた。
「すまない…気を遣わせてしまったな、違うんだ。
あたためたミルクを少し分けて欲しくてね」
よほど意外だったのだろう。その場にいた全員がキュリオの思わぬ発言に目を丸くしている。