Ⅱ―ⅸ はじめての育児
「ジル、これからしばらく私もここにお邪魔させてもらうよ。ミルクがしまってある場所も覚えた。次からは私がやるから、今回だけ頼まれておくれ」
(…つ、次からはキュリオ様がっ!?)
片づけをしながらこっそり様子をうかがっていた他の料理人たちは驚いたように手を止め、互いに顔を見合わせている。
(キュリオ様がミルクボトルを手に…い、いや!キュリオ様ならそれすらも様になっているに違いないっ!!)
数人の男たちはこの美しい王のその姿を想像し、違和感があるものの…それにすら尊敬と憧れの眼差しで胸を高鳴らせるのだった―――――