第11話 ゴリラ蟹合戦
鶏足寺の真っ赤なモミジの絨毯を通り、モジャ太郎が次に向かった所は小谷城でした。浅井長政という偉い人のお城らしいです。モジャ太郎は歴史に疎いので何がすごいかわかりません。すると、そこに髪の薄い青年が現れました。青年は頼んでもいないのに、浅井長政について熱く語り出しました。あまりの熱さについてゆけず、モジャ太郎は話を途中で切り上げて行ってしまいました。ちなみにイチは何もしてないのでレベルは1のままです。
南へ南へ進むと北郷里村が見えてきました。すると、そこで一匹のカニが泣いていました。事情を聞くとキタゴリラというゴリラに親ガニを殺されたのだというではありませんか。モジャ太郎は親ガニの敵討ちを手伝うことにしました。同じく事情を聞いた栗、臼、蜂、牛の糞も仲間に入りました。
キタゴリラの家で待ち伏せし、奇襲をかける作戦です。帰ってきたキタゴリラに熱々に焼けた栗が体当たりしました。火傷を負ったキタゴリラを蜂が刺しました。たまらず家から出ようとするキタゴリラ、しかし、牛の糞に足を滑らせ、スッテンコロリン!屋根の上から臼が飛び降り、キタゴリラを押し潰します。モジャ太郎はすかさず臼の上で餅をつきました。イチは相変わらず何もしませんでした。
泣いて謝るキタゴリラをカニは許してあげました。カニにお礼を言われ帰ろうとしたその時、キタゴリラがモジャ太郎に
「モジャ太郎さん、モジャ太郎さん、お腰につけた暫、一つ私にくださいな。」
と言いました。暫はモジャ太郎の大好物なので、代わりに鮒寿司をあげようと思ったらキタゴリラに断られました。代わりに今ついたお餅をあげることにしました。キタゴリラはお餅もおいしいと言って家来になりました。
モジャ太郎はキタゴリラに「サル」という名前をつけました。キタゴリラは自分はゴリラだからと反対しましたが、サルの方がいろいろ都合がいいからとうまいこと丸め込まれました。これで、モジャ太郎に犬のイチ、ゴリラのサル、2匹の家来ができました。